ネタ不足で尾花(南千住)を訪問 その2

先週末に2時間近く並んで尾花の何の変哲もない鰻を食べた友里、掲示板の書き込み

代表が1人も並ばないで入店出来る戦法(裏技か)をつかう常連客が多い(要約)

を読んで椅子から転げ落ちそうになりました。
尾花の鰻が何時間も並んでまで食べる価値があるかどうかは別として、行列客を横目に見ながら並ばず店に入ってさっさと食べられるとしたら

それだけで行く価値がある

というものです。果たして本当にそのような「裏技」があるのかどうか定かではありませんが、興味深い書き込みでありました。

さて本日は尾花での食事編の前半であります。
女性スタッフにグループ人数を申告し、11:25分頃第一組が入店しはじめました。そして我々もやっとこの暖簾をくぐることが出来たのです。

暖簾

私の拙い記憶では、昔はこの暖簾に、「天然鰻」という文字が入っていなかったか。今回の訪問では店のどこにも

天然鰻

という文字を見ることがありませんでした。メニューの「中串蒲」や「筏蒲焼」にも天然鰻とは表記されていなかった。

さて行列に並んで2時間、やっとちゃぶ台前に着席し、飲み物とともに鰻を含めた料理のオーダーする段階になりました。
女性スタッフの説明では、鰻は初回のオーダーだけ。追加のオーダーは認めないとのこと。ただし、うざくやう巻などのツマミ類や飲み物は、後からいくらでも追加が出来るようです。我々がオーダーした料理は

御新香、うざく、う巻、焼鳥、鯉こく、筏蒲焼、うな重、肝吸い、ご飯

であります。うな重は鰻の大きさの違いで3000円、3500円、4000円の3種。せっかく長時間並んだので4000円うな重を3つ奮発してしまいました。

鰻類が出てくる30分ほどの待ち時間にツマミやアルコールを消費させて売り上げを激増させるこの尾花商法。行列営業と同じく尾花の利益を支える

2大営業戦略

であります。
来店客のほとんどが養殖鰻のうな重を頼んでいる現実。生きている鰻を捌いてから串打ちし、蒸してから焼き上げるという関東式鰻蒲焼きの全行程が30分で終了するはずがありません。あの野田岩は昔

2時間蒸している

とまで豪語していたくらいですから。と言うことはある程度造り置き(捌き置き、蒸し置き、焼き置き)をしていると推測しますが、ではなぜ待ち時間がどの客も皆同じように

30分ほど

なのか。20分や40分にブレない不思議。
あくまで友里の推測ですが、客にツマミを多く食べさせるにはある程度の時間が必要だが、殺到する客を効率よく捌くためには早めの回転も大事。つまり、30分が店側にとって一番有利と判断してコントロールしているというものです。

鰻を出す時間を40分、50分と引っ張ってもツマミの追加がそれほど増えるものでもなく、客の回転が滞って売り上げがかえって伸びない。
では鰻出しの時間を15分や20分と早めて客の回転だけを重視してしまうと、ツマミやアルコールのオーダーが減って今ほどの売り上げが総合的に確保できない。熱々のうな重を食べないでウダウダとツマミやアルコールを飲む客は希有であるからです。
まして鰻と同じく何の変哲もないツマミ軍でありますから、それ自体では勝負にならないのであります。

何時間も並んでやっと座れたのに鰻がなかなか出てこなく、それでは何でも良いからとにかく口に入れたいという客の飢餓感を利用した素晴らしい営業戦略ではありませんか。
しかし尾花の営業戦略の基本はあくまで

行列

すぐに入店させてしまっては、わざわざ30分待たせてもツマミは現状のようなオーダー数にはとてもばらないでしょう。
本日は尾花の営業戦略を友里流に解説しました。明日は実際に食した料理編であります。