アマゾンのレビュアーへの回答

しばらくお休みをいただきましたが、今日から再開させていただきます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
拙著「ガチミシュラン」のアマゾンのレビューで、「ベスト1000レビュアー」の方が友里に問いかけされています。
ゆりさ信介氏のレビューであります。
http://www.amazon.co.jp/review/product/4062151294/ref=cm_cr_dp_all_recent?%5Fencoding=UTF8&coliid=&showViewpoints=1&colid=&sortBy=bySubmissionDateDescending
どちらかというと山本益博氏の信奉者の立場に近い方で、氏の本のレビューでは絶賛、友里の本にはかなり厳しい批判的なご意見を書き込まれてきた方であります。ところが年末に出版されたマスヒロさんの「東京番付」はいつもの絶賛とはちょっと違っておりました。そして「ガチ」の今回のレビュー、まずは下記引用をご覧ください。

友里氏が今回採りあげた有名店のなかで、「すきやばし次郎」について感じるところを書くと・・・。
小野二郎氏をゴッドハンドだなんだと、国宝級にまつり上げることには、私も「?」なのだが、彼が「現代の鮨名人、達人のひとり」であることは、事実だと思うんだよな。
だとすると、齢80を超えた鮨名人が、多少不遜であろうと、客に鮨の食べ方なるものを指南しようと、私は、腹立たしいとか生意気だとかいう感情は持てない。
むしろ、そう感じる友里氏の方が、料理人蔑視とでもいうような考えを、基本的に持っているのではないだろうか?
「かましている料理人を、食べ手の位置まで引きずり下ろしたい」「なんで客側が緊張して食事しなければならないのか?」といった友里氏の主張も、理解できないことはないのだが(私だって、実力も伴わないのに偉そうにしている料理人は嫌だ)、「目上の人に対する敬意」だとか「その道一筋で長年修行してきた人への尊敬」だのというものが、どうも氏には全く感じられないんだなあ(くりかえすようだが、相手は80歳オーバーですぜ)。
小野二郎氏は、決して不真面目な生き方をしてきた人ではないと思うし、金儲けしか考えないような人でもないだろう(だとしたら、「水谷」や「青空」の主人が、あそこまで敬愛しないだろ?)。
そんな「おじいさん」の店が、支払いが高かろうが、必要以上の威圧感があろうが、それで満足している客がいるなら、私はそれでいいと思うんですがね。
どうです、友里さん?

読者の方からもブログで回答すべきだとのご指摘を受けましたので、2009年本格スタートとなる本日、ここに簡単ですが回答させていただきます。
まずは私の中での小野二郎氏の位置づけが、「ゆりさ信介」氏とはかなり違います。20年前は鮨業界の「名人」であったかもしれませんが、ここ10年は単なる「ワン オブ 高額鮨店の主人」だと私は思っております。
タネ、仕事、握り、とどれも傑出した鮨だと思っておりません。
また私は「料理人蔑視」のような考えは微塵も持っておりません。あくまで店側と客の立場は対等だとの考えが基本であります。料理人と客の立場はイーブンだというのが自説でありますので、そこには80歳を超えた人だから「不遜」を見逃す、という考えはありません。
高齢者を大事にしなければならないのは当然ですが、その思いと料理人と客の関係は全く別であります。
高齢料理人に優遇を許すと言うことは、逆に「若い料理人」にはどう対応しろと言うのか。辛めに対応しろとでも言うのでしょうか。
確かに「修業不足」な若手はNGでありますが、しっかり結果を出している料理人には、年はまったく関係ないと私は考えます。
ゆりさ氏はじめ料理人信奉者には、「その道一筋で長年修業してきた人への尊敬すべき」という考えがあります。
確かに上っ面は聞こえのよい言葉でありますが、「その道一筋で長年」は料理人の専売特許ではない。
客だって、「その道一筋」で頑張って仕事してきた人はいくらでも居るのです。小野二郎氏にそんな客へのまともな思いがあるでしょうか。
私はゆりさ氏に問いたい。拙著「シェフ・板長を斬る」(黒本)にも書きましたが、二郎氏が長男と客に聞こえる音量で言っていた前の客の悪口を聞いても、「80オーバーだから大目に見ろ」と言えるのか、と。
「目つきがおかしかった」、「握りをすぐ食べやがらなくて」、「ガリばっかり食いやがって・・・」
人前でなくても普通の神経の人なら口に出せる言葉ではありません。
私はこの言動を聞くだけで、二郎氏は「真面目」な人だとはどうしても思えないのです。
威圧感ある料理人に媚びる客は何処にでも居ます。それはその人の勝手でしょう。
しかし、山本益博氏がそれほど高額鮨に詳しくない一般読者に対し、このような性格の主人の店を「日本一」だと絶賛し、「手紙をだして握ってもらうよう頼め」、「1週間前に店へ出向いて頼め」と煽るのは間違っていないか。
一部のマゾ的常連客(とはいえ本当の常連や富裕層はマゾではなく二郎さんに強気で臨んでいるようです。握りは直ぐ食えと言いながら、イソイソと折りに握りを詰めているのを目撃したこともあります)やヨイショライター、そして弟弟子や弟子が敬愛するのは勝手ですが、純粋な一般読者にこの店を煽るのは間違いだと私は問題提起しているのです。
握りは直ぐ食べろ、と20分かからず20ヶ近くの握りを出すくせに、なぜ「お土産の握り」を常連に用意するのか。
言っていることとやっていることがまったく「矛盾」している「すきやばし 次郎」。
昼にお酒を飲まず3万円、夜ならかるく5万円近くになる何ら傑出したものがないこの世界一時間単価の高い鮨店、友里の評価が辛いのは当たり前であります。
どうです、ゆりさ信介さん?