さよなら「坊」

閉店情報の友里征耶と言われて久しいですが、本日もクローズした店のお知らせです。
一時は芸能関係者など業界人で賑わっていた西麻布の「坊」。

http://www.bigbo.co.jp/

ダイニング和食のハシリみたいな店でした。外から見ると何の店なのかわからない隠れ家的(といっても店内は広い)なところがウケたのでしょうか。
料理のレベル(俗に言うダイニングレベル)にあわせて支払い額は高くなく雰囲気だけの店だったのですが、バー(其の弐)、寿司屋(其の参)まで同じ建屋に併設してしまった。この膨張時期が「坊グループ」の絶頂期だったでしょうか。

友里も話のタネにダイニング和食を訪問したことはありましたが、評価するレベルの食事ではなかったこと、当時はそんなに露出していなかったこと、などを考慮して取り上げることはありませんでした。
そう言えば、せんべろ・居酒屋ライターのJ.C.オカザワと初めて会ったとき、二次会でこのバーへ行きましたっけ。

そんな「坊」に異変を感じたのは今年になってから。結構派手な「小火(ぼや)騒ぎ」を2回ほど起こして大丈夫かなと思っていたのですが、いつの間にか店前には「お品書き(価格付き)」が展示され「隠れ家感」がなくなっておりました。

そして9月になって「坊 其の壱」(ダイニング和食)のドアが閉ざされていることに気がついたのです。「其の弐」、「其の参」は営業を続けておりましたが、昨日9/30付けで閉店(経営会社は休業と称しています)となりました。

板長の顔が見えない(実は居ない?)
厨房スタッフはバイトレベル
料理ではなく雰囲気を一番のウリに考えている
経営者は10年先の営業を考えていない?

と、まともな料理店ではないというのが私の「ダイニング評」であります。最近はかなり減ったようですが、それでも時たまこの手の店がオープンしておりますから、業界には未だに

ダイニング神話

を信じている経営者がいると言うことでしょうか。
料理店で、顔が見えないバイトレベルの厨房スタッフが必要なのは

ファストフードとファミレス

だけで充分。

賢明な(味のわかる)客が増えて、このようなコンセプトのダイニングが世から駆逐されることを私は願っております。