1/8の友里ブログで京都吉兆リーガロイヤル店の1/31閉店をお知らせしました。書いた責任というほどのものはないかもしれませんが、たまたま関西に所用がありましたので、先日昼の「特別献立」を食べに行ってきました。
結論から先に言わせていただくと、「これなら閉店もやむなし」か。
あと数日で店を閉めるというのに、店内(ホール)は半分も客が入っていません。スタッフと親しげに話す年配客、その態度の大きさからもおそらく常連に近い立場だと思うのですが、その人が「閉店」を知らず驚いておりました。
HP上(新年の挨拶など)で閉店を公表するだけではなく、お世話になった常連以外にも名刺などから住所や名前を知っている客すべてに伝達していなかったのではないか。
一番の驚きは、ホールに入ったら「鰻重」を食べている客を見かけたことです。何かの間違いかとメニューを見ましたら、立派に「鰻重 4000円」とありました。
支店とは言え京都の高額和食店、メニューに立派に「鰻重」を登場させるのはいかがなものか。雄叫びを上げる幼児もホールで受け入れていましたから集客に必至なのでしょうが、これを巷では
貧すれば鈍する
?と言うのではないかと思ってしまいました。
?
http://www.kitcho.com/kyoto/shoplist/rihga/info/2010/01/post_9.html
しかし実際提供されたものは予告と違う料理もありました。
「火取り唐墨 焼餅」のお椀、私が食べた椀タネは「はまぐり」と「豆腐」。焚合も「甘鯛とろろむし」ではなく、大根、人参、蓮根、飛竜頭などの焚き合わせでありました。
私のようにHPを見てわざわざ「特別献立」を食べに来る客もいるはず。料理内容は死守していただきたかった。
ご飯ものの「ミニすきやき」と白飯。テーブル上の炭火で加熱するのですが、火力が弱いのか時間がかかり、かなり煮込む形となりました。何でも炭でやれば良いというものではないはずです。
全体に出汁など味付けは甘めでありまして、こう言っては申し訳ないですが、特にお椀の出汁は料理好きな奥様の家庭レベルと違いがわからなかった。
はっきり言ってCP悪すぎ。閉店記念の特別献立でもこのレベルなら、普段のコースは「推して知るべし」ではなかったかと思ってしまいました。
リーガロイヤル店の料理長は京都吉兆の会長派、つまり現社長で全実権を握っている徳岡邦夫氏とは一線を画す立場と漏れ聞きいております。湯木貞一氏の料理からの脱皮を唱える邦夫氏にとっては守旧派のようなもの。
そんな料理長の店でもこの料理レベルということは、閉店間際でも満席にならない店内と合わせて考えると、店全体のモチベーションが消滅していたとしか思えません。
せっかく立ち寄ったのにこの食後感、がっかりしました。
昨日の1/31はリーガロイヤルの最終日です。本来なら店主(徳岡邦夫社長)が最終日の夜に来てくれた客全員に挨拶やお礼を述べるべきだと思うのですが、あのイヴェントが予定通り開催されたとしたら徳岡邦夫氏はその晩は東京です。似非グルメの放送作家・すずきB氏が関係する「シェフ・ワン」という変なイヴェントに参加することになっているからです。
http://chef-1.shop-pro.jp/?pid=16863262
同じ経営者として、私は徳岡邦夫氏の頭の中が理解できません。