【陳謝】グルメの真実、とりあえず発売延期です【謝罪】

本日は「友里征耶の週間食日記」をアップする土曜日なのですが、緊急で発表させていただくことが起こってしまいました。
まずは9/21の友里ブログで10月8日発売と書きました

グルメの真実(宝島社)の発売をとりあえず延期

させていただくことをここに発表させていただきます。
アマゾンでは現在宝島新書部門で第2位に位置するほど事前予約をいただいておりましたが、断腸の思いで決断させていただきました。

今回の発売延期、心よりお詫び申し上げます。

事の経緯を説明させていただきますが、知名度がないとはいえここまで対応の悪い扱いを受ける執筆者(除く自主出版)が今までいたでしょうか。
9/21のブログでも大丈夫かと不安を書きましたが、10/8の発売をなぜ延期せざるを得なくなったのか。

今回は出版元(宝島社)と友里の間に編プロ(編集プロダクション:遊学社)が入っておりまして、原稿のやりとりだけではなく色々な伝達事項もこの編プロを経由しておりました。
この4月で出版元の担当編集者が配置移動になって友里の担当が編集長に替わってしまったため、ルートは編プロ経由しかなくなっていたのです。

なぜ発売を2週間後に控えたこの段階で新書出版を延期するという事態になってしまったか。その理由は、おそらく単行本出版としては前代未聞の以下の不手際が重なってしまったからであります。

・発売日(発売月さえ)が著者に伝達されておらず、発売3週間を切ってアマゾンの取り扱いで著者がはじめて知った

・校了日(9/26)を著者が知ったのはその3日前(9/23)の午前。しかも担当者を問い詰めてやっと聞き出した

・その時点(9/23)でまだ校正原稿が1枚も出来ておらず、著者が入手したのはその夜になってしまったため、一発校正を2日間でしなければならなかった

・著者に無断で原稿から実名削除を行っており、それを著者に通達したのが校了日の4日前の深夜

・著者へのタイトル通知は締め切りの1日前。事前に何の相談もなく、結果的には勝手に決められてしまった

?アフォな素人ライター友里征耶は、編プロ側から

原稿の〆は9月半ば頃で良い

と言われたことを素直に守っていたのですが、勝手に編プロ側が出版元とすべてを決めてしまったということであります。

店やライターの実名も単純に削除していただけのようで、前後の文調はそのまま。実名を書かないならそれなりの配慮をした文体にしなければならないのは「グルメの嘘」(新潮社)で経験済みであるだけに、友里はこの事実を知って唖然としてしまったのです。

編プロ側が勝手に決めていたのは出版日や校了日、タイトルだけではありません。なんと

ページ数(文字数)

も出版社と決めてしまっていて、担当者は著者に何の相談もなく著者が重要だと思っている各章の項目を

丸ごと削除

しているのが、昨夜手渡されたゲラではじめてわかったのです。
ページ数の相談を友里とせず勝手に190ページに設定していたらしく、文字数を調整するため30ページ分を担当者が勝手に削除していたのです。たとえば

地産地消は単なる手抜き

と題した項目。「アルケッチャーノ」を例にとった今まで誰も書かない切り口での自称力作なのですが

この項目4ページ分を丸ごとカット

しているんですね。その他でも、前出版社担当者と1年がかりで温めてきた

脂好き、ジュース好きを乱造したファミレス(2ページ分)
フグの肝は美味しいのか(2ページ分)
無名のワインで構成するワインペアリングのウラ(2ページ分)
冬は品薄なので養殖を使っているという欺瞞(2ページ分)
カリスマ漁師の真実(2ページ分)
テレビ料理人の実力(2ページ分)
回転させたいだけの高額鮨店(2ページ分)
客入り不振な店が地方で繁盛店(3ページ分)
お取り寄せ宣伝にバックリベートはないのか(2ページ分)
タダ飯だけではなく本の押しつけで掲載店と裏取引(2ページ分)

など勝手にこれらを全削除しているのです。
昨夜表参道でこのゲラを受け取り、帰りのタクシーでちょっと中身を見て驚嘆の一言。あまりの驚きに友里、助手席から転げ落ちそうになったのです。

昨日はじめて出版社側と腹割って話したことからわかったのですが、校了日が迫ってきても一向に校正がでてこず心配になった編集長の

著者校正が1週間もとれなくて大丈夫なのか

との問い合わせに、編プロ側は著者に相談なく(この時点でまだ校了日を著者に通達していない)

大丈夫です

と返答していたというのですから、私は怒りを通り越して笑うしかなかった。
結果的には

実名削除した赤線は更に赤で「ママイキ」
どうでも良いレベルの赤修正
勝手に枠を囲ってページ単位で赤バツ

と赤でごった返すゲラを渡されたのは校了日3日前の20時過ぎ。
自宅へ戻って1時間ほど斜め読みし、

紙ベースの赤修正では校正不可能

と判断し、発売延期になってしまう

校了日までの校正拒否

を出版社編集長に連絡したのであります。
友里が思うに、編プロ側は単行本の編集経験がないのではないか。

脱稿から1週間以内に校了
編集者が自分一人で勝手に編集

とは、雑誌の編集・出版のようなものであります。日頃から

持ってる友里

と言っておりましたが、

素晴らしい編集担当(編プロ所属)

を持ってしまったために前代未聞の理由で

とりあえず出版延期

となってしまいました。
出版社側との話し合いで、週明けには編プロを排除して新たに校正をワードベースで貰うことになりましたが

ページ数を先に制限していて編集ができるのか

大いに疑問になりました。半分くらいの生原稿を見て、出版社側から編プロには

決めたページ数を超えるのではないか

と問題提起したそうですが、またもや編プロは著者に相談ぜず

大丈夫です

と答えたとか。最後の最後まで私には文字数の問題を通達してこなかったのは、

いざとなったらバシバシ勝手に削除できる

との慢心があったのか。
友里は自主的に文字数をカウントして後半は抑え気味にしていたのですが、最初から相談を受けていたらここまで混乱することはなかったと考えます。

すでに680円と価格設定して宣伝してしまったので

増ページは無理

との出版社側の返答。ここまで大幅な削除をすることは難しく、とりあえず延期といっても「グルメの真実」が日の目を見るには

出版社側が増ページを受け入れる
友里が内容劣化を承知で折れる

のどちらかしかないのか。いやもう1つ

原稿を引き上げて他社での出版を模索する

という選択肢もあるにはあるのですが、1年近く打ち合わせした出版社側前任者への義理と質を落としたくないと思う己の拘りを天秤にかけねばならず、しかも

新たに原稿を受け入れてくれる出版社

がいるかどうかとの大きな問題も残っております。
前任者の顔を立てたい、しかし中途半端な新書は出したくない、との葛藤に加えて他の出版社が手を上げてくれるのかどうか。

史上最強の編集担当者

を「持って」しまった為に友里、来週には苦しい決断をしなければならないかもしれません。

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