「薄味とは素材の味を壊さないように調味料などを使い過ぎないこと」なんて当たり前のことをシッタカで言ってくるな!(な~んも知らんくせに)

読者からの要請でタイトルをちょっと追加しました。最後の括弧内の文言です。

昨日のWBC、予想通り(後出しですが)日本はキューバに完敗しました。
まあ、メジャーで通用しそうなのは糸井選手くらいと小粒なラインナップ。メジャーをお払い箱になって逃げ帰ってきた選手を選ばざるを得ないほど人材不足でありますから、当然の結果であると友里は考えます。

バリバリメジャーがほとんど出ていないメンバー同士での自称世界一決定戦。

井の中の蛙状態

としか例えようがありません。

さて本日のタイトル、実は読者の方からいただいたメール内容であります。
ご本人には丁寧な返事(あくまで友里の範囲内)を出させていただきましたが、ブログですので演出をこめてちょっと過激な表現にさせていただきました。

おそらくこの読者は、京料理に詳しいとご自身だけの判断で自負されているか、京都近辺にお住まいの方だと思うのですが、リアルをご存じではないのではないか。つまり

ほとんど外食していない

と推測されるのです。
それではそのご指摘と友里の見解を書かせていただきます。
読者のご指摘は、内容を変えない範囲でわかりやすいように修正&簡略化させていただいております。

指摘1
「京の薄味」これは、料理人でも誤認されている方が多い(故に、柏井氏あたりが説明できなくとも納得)ので厄介なテーマですが、「京の薄味」は、官能的な味付けが濃い、薄いではなく、味噌、醤油といった風味付けの調味料を使いすぎて、その風味で素材の味を壊さないようにする味付け、というニュアンスです。

はっきり言って申し訳ないのですが、

こんなの当たり前

じゃないですか。鬼の首取ったように意気込んでおられますが

素材の持ち味をぶち壊しているから「濃い味」

と友里は判断したのであります。
薄味判断は官能的(個人の嗜好)な判断ではないと言われますが、件のブログ主宰者(朔風さん)や柏井壽氏は

こんなに味濃くても、素材の持ち味がぶち壊れていない

と官能的(個人の嗜好)に思っているから、「○○○ ○○」(朔風さんが薄味と推薦した店)が

薄味

だと確信していらっしゃるわけです。

こんな当たり前のこと(薄味とは使いすぎで素材の味を壊さないこと)を誤解している料理人なんているはずがありません。
もし存在していたとしたら、友里は直ちに転職を助言することでありましょう。

ではなぜ京都の現状が濃い味料理店ばかりになっているのか。
それは

たとえ素材の持ち味をぶち壊していても、その方が濃い味好きな京都人(関西人)や観光客にはウケる

と判断しているからに他なりません。

指摘2
伝統的な調味料を使うとわかるのですが、きちんと熟成期間をとった昔ながらの調味料は風味が強すぎるので、調味料を控えめ(風味を被せる程度)にして、季節に応じて塩梅を塩で調整するというのが、本来の京都風。

こんな事、京料理に限ったことではなく、本来なら当たり前(濃い味好きな人を対象にしなければ)なことではないですか。
ただし風味が強すぎるか否かも、官能的(個人の嗜好)判断であると考えます。

こう言ってはナンですが

友里も舐められたもんだ

と深く反省した次第であります。

指摘3
そもそも京都は盆地で夏は暑く(塩分を必要とする)、冬は寒い(ので、エネルギーに転換しやすい甘味を欲する)気象条件ですから、官能的な味付けで、濃厚なものが好まれるのは、それなりに当たり前の話です。
ですから、柏井氏が、濃厚な味の料理を紹介することが多いとしても、そのことだけで「大味の味覚」と断じ、「薄味がわからない」という批判をされるのは完全に筋違い。

京都の気象条件、こんな当たり前のこと、わかりきっているから友里は確信して

京都人は濃い味好き

と連呼しているんです。何を今さらのご指摘であります。

また柏井壽氏の紹介ですが

京都以外の地で、無茶苦茶濃い味料理を絶賛

しているんですね。
普通の濃い味嫌いな人なら、決して近づかないコテコテ料理を美味しく感じて食べまくっているのですから

真の薄味がわかるはずがない

と友里は主張しているのであります。

指摘4
「生粋の京都人」(柏井壽氏の紹介で)という表現、これはもう絶滅危惧種になりつつありますが、本来は京都の旧市街(たとえば、南北で言えば、今出川通りより南に住んでいる人)を指す表現ですから、柏井氏のような方に使用することは控えた方が良いかと思われます。

 

何を寝ぼけたことを言ってくるのか。
柏井壽氏は自著の作者紹介などで

生粋の京都人と自称

しているから、友里は

イヤミ

で連呼しているのです。
頭が硬すぎるのか、ジョークというかシャレをご理解いただけず残念であります。

指摘5
京都のきちんとした料理屋の場合、予約を受けた段階で、店側が推測し、理解しうる範囲においてお客さんの出身地に合わせて、それなりに「濃く」味付けをします(たとえば、椀物で、追い鰹を効かせるとか)ので、京都の店の評価はなかなか難しいです。

 

超常連や特別扱いする客でないかぎり、今どきこんな対応をする店が存在していると思っているのでしょうか。
コース1本の店がほとんどですし、予約時に客の情報を聞き出そうとする店は今どき皆無。

最近流行の店は客に相対するカウンター形式が多いですが、お椀や炊き合わせは奥の厨房にいる煮方が担当しています。
いちいち客に合わせて調整(超常連や特別扱いする客を除く)なんか出来るはずがない。

それに客は一人客ばかりじゃないんです。数人グループで出身地や好みが一致するはずがない。一人一人を対象にするなんて非合理的なことを営利追求する店がやるわけがないではありませんか。
現状を理解していない(実践で外食していない)ので、どこかの本などで昔得た知識のご披露であると友里は推測します。

指摘6
古川修氏(芝浦工業大学教授で、友里への名誉毀損裁判で高裁逆転勝訴した方)は、そうした調味料をレシピ通りに使って「旨い」と思っているようで、濃厚な味が好きな田舎者丸出し・・・

 

的外れですね。古川氏はこの読者と同じく実践経験が少ない。つまり

居酒屋主体の外食で高額和食の経験が少ない

から、濃厚味が「普通味」と感じているのであります。(居酒屋料理は客単価の関係で高質な食材を使用できないので、味付けを濃くせざるを得ない)

古川さんやこの読者の辞書には

百聞は一見にしかず

という文言はないと、友里は考えます。