先日あるところへ遠出する機会がありまして、その地の「3つ星」を2軒ほど訪問しました。
1つは高層ホテルにありましたがそのレストランは1階、もう一つも高層ホテルの関連建屋でしたが、モールみたいところの4階でした。いずれも夜景をウリにしていません。
パリの3つ星もほとんど1階、最悪でもホテルの2階ではないでしょうか。
イタリアやスペインの3つ星というか高級店もみな一軒家かそうででなくても1階に位置する店がほとんど。
ところが我が日本では、3つ星を狙っているかのような高額店がまだまだ高いところへ登ったままです。
「ガニエール」、「ベージュ」など提携している3つ星シェフは高層階の無意味さを知っていると思うのですが、なぜ入ってしまうのか。
それは、ビルオーナー側が不勉強で高層階(最上階)に先にレストランスペースを造ってしまうからではないか。逆に言うと、都心で1階や低層階に良い物件がないということです。
NYなどのアパートメントやホテルの建屋では、その入口とは別に直接入れる1階のスペースが用意されているものが多い。
高級美容クリニックやレストランがそういうところに結構収まっています。
日本ではせいぜい、専用のエレベーターを用意するだけで「最上階へどうぞ」ですから、設計段階での計画がまったく違うと言うことでしょう。
以前から私は主張しているのですが、高額レストラン(料理で勝負したい店)に夜景は不要です。客も望んでいません。
そのことは「ベージュ」が自ら証明していると思うのですが、再開発ビルと同じく、いっこうに改まる気配がないのが残念です。
最近では「タテル ヨシノ 銀座」が入っているビル。しっかり最上階に吹き抜けのレストランスペースを計画してしまいましたが、これなど賞味期限が切れたある空間プロデューサーだか元編集長だかの古ぼけた発想を受け入れてしまったからだと漏れ聞いています。
テナント誘致にかなり苦労したようですが、私は小山薫堂氏が関わったと漏れ聞く「ジャン・ジョルジュ」を選んだ方が東京の客にはインパクトを与えたのではないかと、先日ある地の「ジャン・ジョルジュ」で食べてあらためて思った次第です。
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