ここ最近毎日報道される「派遣切り」、社会問題化している大変暗いニュースであります。「バッグ1つで寮を追われて住む場所がない」と今朝の読売の1面トップにもありました。
一連の派遣切り報道を見、読んで私は大きな疑問を抱いたのです。派遣社員の人たちは手取りが10数万円(寮費、TVや冷蔵庫の使用代を派遣会社から天引きされた結果)。これでは貯蓄が出来るはずがありません。
たとえ契約が継続されたとしてもこれでは永遠に貯蓄できず未来の「展望」がないではないか。こんな社会システムを構築してしまって良いのか。
派遣社員を受け入れた経営者や責任者の方はご存じだと思うのですが、派遣社員の時間単価は結構高いんです。交通費、賞与、社保を負担しませんので、正社員雇用と単純には比較できませんけど。
自動車産業とは職種が違いますが、以前私の会社で契約していた派遣社員に対する派遣会社への支払いは30万を優に超えていたと記憶しています。派遣会社は数割しかピンハネしていないと言っていましたが、実際の派遣社員の手取りは20万円を割っているはず。寮費やTV、冷蔵庫代を天引きされない自宅通勤者の場合ですが、ちょっと抜きすぎではないでしょうか。
自動車産業など契約している派遣会社は、この大きなピンハネに加えて、寮費、TV・冷蔵庫レンタル収入といった2重、3重の利益生みだし構造があるわけです。
私は声を大にして言いたい。グローバルスタンダードだ、規制緩和だ、と小泉・竹中路線が持て囃されていましたが、手取り10万円という展望のない社会システムを造りだしていたことを連中は知っていたのか。こんな無理な雇用形態を放置していて何とも感じなかったのか。
契約社員の企業側の一番のメリットは費用の削減ではなく、雇用調整が簡単なことです。経費を削減したかったら契約を更新しなければいいわけです。
そこで私は極論を提案したい。契約社員を含めて社員の雇用を守るのが経営者の重要な役目ですが、どうしても雇用を解除しなければならない場合もでるでしょう。そこで雇用調整が簡単な「準正社員」のようなカテゴリーをつくり会社と社員が直接契約を結べるようなシステムをつくるのです。
派遣会社は潰れるでしょうが、契約社員は準正社員として手取りは増えます。どうせ辞めさせられるリスクがあるなら、派遣会社を儲けさせず、不安定な契約形態でも手取りが増えるだけマシではないでしょうか。
準正社員を管理する総務・人事は仕事が増えるでしょうが、何ら生産性のない「役員秘書室」など無駄が多い大企業、いくらでも埋め合わせができると考えます。
件の派遣社員は現在弊社の正社員になっていることを付け加えさせていただきます。
さて読者から「ガチミシュラン」が香港のニュースサイトで紹介されているとの情報をいただきました。
J.C.オカザワと一緒なのがちょっと不満ですが、ぜひご一読ください。中国語なので、翻訳サイトのURLも貼り付けておきます。
ニュースサイト
http://news.sina.com.hk/cgi-bin/nw/show.cgi/53/1/1/973450/1.html
翻訳サイト
http://honyaku.yahoo.co.jp/