飲食店も二極化か

未曾有の不景気の出口が見えません。今朝の新聞では、TDKが海外製造4拠点を閉鎖すると伝えています。確か昨年秋かなりの人員削減を発表していたはずですが、今回あらたに8000人以上の削減を追加するようです。
秋から月を重ねる毎に受注が落ち込んで、現在の工場稼働率が5割を切っている状態では仕方ない決断ともいえますが、これは本当に異常事態であります。普通売り上げが3割、4割も急減したら、企業は持たない。各企業がどこまでこの不況に耐えられるのか。
トヨタをはじめ2008年度の決算の下方修正が連発されていますが、この数字はまだ好調だった上半期を合算してのこと。今の状態が1年続いたら2009年度の各企業の決算はどうなるか、大企業のサラリーマン社長は予想不可能でありましょう。
それでは飲食店はどうなのか。
昨日の三島の鰻屋のように、相変わらず盛況な店があるので、飲食業界は全滅とはならないようです。
高額機械式腕時計や高額バッグなどブランド品の売り上げがみな激減しているかたわら、高額飲食店でも盛況を維持している店があるから不思議です。
先日も、ある3つ星和食の予約に1時間半電話をかけ続けてしまいました。予約が相変わらず殺到しています。ミシュラン非掲載の和食店は今でも1ヶ月以上先でないと予約が入らない。
しかし高額店がすべて良いわけではありません。先日たまたま通りかかった京都駅のホテルの飲食店は、吉兆はじめみなガラガラ。京都吉兆は名古屋、洞爺湖も苦戦しているようです。
つまり、同じ高額店でもミーハーや一見客を狙った店は苦戦、常連主体やキャパの小さい高額店はまだまだ順調、というところだと考えます。
同じ京都吉兆の経営でも、嵐山の本店はそこそこ客が入っていると推測します。
それでは廉価な店はどうか。「すかいらーく」などファミレスが苦戦している様をみると、安ければ大丈夫というものでもないようです。確認はしていませんが、高田馬場の「ラミティエ」などは相変わらず予約が入りにくいのではないか。
特徴ある料理をCPよく提供するキャパの小さな店でないと、たとえ廉価とは言っても今の状況では厳しいでしょう。
グラナダ、ひらまつ、フォーシーズとミシュラン星付き店をいくつも擁する多店舗展開会社もそうとう厳しい運営を余儀なくされると考えます。
しかし同じ多店舗展開の飲食店でも牛丼の「吉野家」は笑いが止まらないのではないか。
牛肉はじめ肉類はアメリカなど北米が主体のはず。まだ誰も言っていないと思いますが、このドル安でかなり予想外の利益がでているのではないでしょうか。
円高差益還元値下げをするかどうか、吉野家経営陣の判断が見物です。