この1年ほど、何かと機会がある度に山本益博氏が取り上げ絶賛し、「小十」や「龍吟」よりミシュランに掲載されるべき店だと煽っていた虎ノ門の「青柳」が、どうやら今月で一時的?に閉店するようです。先週知人から
?今月で閉店するらしい
と聞いて私は驚きました。ミシュラン3つ星「小十」と「かんだ」、そして2つ星「龍吟」の師匠である小山氏が表面上率いる「青柳グループ」の東京旗艦店。8つ星の親みたいな存在で、マスヒロさんのバックアップもある、90年代は有名店であったからです。
六本木ヒルズオープンが全盛時だったでしょうか。その後、多店舗展開のやり過ぎから行き詰まり撤退を繰り返しただけではなく、業界にもかなりの混乱をもたらしたと漏れ聞いております。90年代はあの林真理子氏のお好きな店の1つでありました。
よって早速私は裏をとる確認作業に入ったのです。
「青柳」は徳島県東京物産センターのビルに入っていたことを思い出し、まずはそこへ電話をかけましたが不通。仕方がないので徳島県物産協会へ電話で確認しました。
隣接する道路の拡張でビルの取り壊しが決まり、昨年の3月に既に撤退しています
との話でありました。
どうやら道路の問題でビル自体が存在できなくなったようです。次にはやはり「青柳」本体への直接確認が必要です。マスヒロさんが急に取り上げてきたので近々に訪問してみようと思っていたこともあり、ちょうど今月は予定が一杯なので4月はじめに予約を入れようと電話しましたところ、上述と同じような理由で今月末に閉店するとの説明を受けた次第です。
店の人の話振りでは撤退閉店ではなく、あくまで立ち退きによる一時閉店と主張していましたが、とはいえ次の移転先は未定だという不思議。
肝心の徳島の物産センターが1年前に見越して撤退しているくらいですから、「青柳」も1年前には当然このような状態になるとわかっていたはずです。
移転先は少なくとも1年前から探せたはずで、充分準備期間はあったのではないか。なぜ1年後にも移転計画が白紙なのか。ビル取り壊しが閉店の主因だとすると、「営業保証金」もたんまり出ていると思うだけに非常に不可解であります。
あくまで私の推測でありますが、東京ではもう「青柳」を続ける意思がないのではないかと思ってしまうのです。
膨張主義とか経営センスには疑問の小山氏でありますが、鮎の焼き技術や鯛など刺身の包丁仕事など、料理人としての才能は傑出していたと私は思っていただけに、ある意味今回の閉店は誠に残念であります。