先週発売の週刊文春「阿川佐和子のこの人に会いたい」にミシュランガイド総責任者のナレさんが登場していたのを知りました。
「アガワのツッコミ、星いくつ?」の見出しから期待したのですが、阿川さんの突っ込みが今ひとつ踏み込み緩く、ミシュラン宣伝に一役買うだけ、ナレさんの思惑通りの結果となったようです。
ただ、今回の対談で面白い突っ込み所を提供してくれました。
掲載店が二軒つぶれた点について、「調査段階で兆候を感じませんでした」と弁解していますが、どこを調査していたのか。ランチとはいえ、「はとバスツアー客」を導入するくらい店内が寂しかった「ザ・ジョージアン・クラブ」の低落がわからなかった調査員、どうなんでしょう。
http://search.hatobus.co.jp/main/detail.php?id=6717
ミシュラン調査員に必要なものとして「胃袋が丈夫。好き嫌いがない。口が堅い。」を挙げていましたが、口が堅いと言われる調査員の素性がどうしてこんなにはっきり業界に伝わってしまうのでしょうか。口の堅さより自己顕示欲の強さが上回ってしまったのか。
ミシュラン調査員はCIAのエージェントみたいだが、食生活はもっと恵まれている、と軽口を叩いていますが、ワインをほとんど頼めない低予算の調査員、飲料生活には恵まれなかったようです。
ナレさん、飲食業界のタブーをバラしています。「ジャーナリストとか批評家はだいたい顔が知られているし、けっこうお金を払わないで食べる」と昨今問題になっているライターや評論家の「タダ飯」の存在を肯定しておりました。
東京版は生まれたての赤ちゃん。温かく見守ってくれ、とエクスキューズしているのも疑問。そんな完成度の低い本なら、なぜ発売するんだ。タダで配れ。
文章の稚拙さに関しては、「レイティングのプロだがライティングのプロではない」と開き直っております。それならば、ページ稼ぎの紹介文を無くせばいいだけ。お金取るべきものではないでしょう。
とまあ、阿川さんにはいくらでもより突っ込むところがあったのですが、日本のマスコミは割合一回の突っ込みで終わってしまうんですね。用意していた質問の回答に対し、アドリブで突っ込む能力に長けていないのでしょうか。
それにしても最大の突っ込み点、「店からの掲載拒否をなぜ否定する」がなかったのが残念。
この問題にとことん突っ込む人は居ないのでしょうか。