先月、違反のフグ肝を出して営業停止と主人のフグ免許取り消しの処分を受けた「ふぐ 福治」。
拙著「絶品レストラン」(鉄人社)でも掲載した唯一友里お気に入りのフグ屋だったのですが、違反行為をしたとの報道を欧州旅行中に知り非常に残念に思ったのであります。
フグの肝は全国どの地域でも(大分県も)出すことは禁止されているものですから、その条例を破った店が悪いのは当たり前です。
しかしTVなどでの実名報道がかなりありましたし、主人の免許取り消し(再取得は出来ないらしい)によって、今は営業が再開されたようですが、ある意味かなりの制裁を受けたのではないでしょうか。
これからはフグを提供するにはフグ免許をもった調理人を常時雇う必要があります。(丸から仕入れて捌く場合)
今後も以前と変わらない質のフグを提供できるかどうか(フグ免許を持つ調理人を雇い続ける為に経費が増える可能性大)に店の将来の明暗の分かれ目と考えます。
さてこの大事件の主役、もとい被害者女性の相手男性がなんと
東国原英夫(そのまんま東)
だという昨日の日刊ゲンダイの記事に友里は驚いたのです。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20111211-OHT1T00032.htm
フグ屋で肝を要求する客ですからかなりの常連かと想像していたのですが、この4~5年で5回ほどしか訪問していないとは予想外。常連客より有名人に店は弱いのでしょうか。しかし東国原英夫氏サイドは
「あん肝はあるか」と尋ねたところ「あん肝はないが、ふぐの肝ポン酢はある。(食べても)大丈夫」
と店から言われたと弁解しているようです。店側はノーコメントに徹しているので事の真相はわかりませんが、問題は以下の東国原英夫サイドの主張であります。
九州では、毒性のない肝が提供されることがあり、除毒された可食性の肝ポン酢と一貫して考えていた
多くの人が勘違いしている可能性があるのですが、全国津々浦々、大分県でも
可食性の肝ポン酢など許されていない
のであります。「グルメの真実」(宝島社新書)にも述べておりますが、許可されていると言われている大分県も実際フグ肝は禁止。確かに肝を出している店があるようですが、大分県の店でも
フグの肝を出すのは違反
なのであります。政治家を志す東国原英夫氏なら、この程度の基本知識は持っていてもらいたいものであります。
しかし人間落ち目になるとその右肩下がりは止まりませんね。思えば彼の転機は2年前の衆院選だったでしょうか。自民党からの出馬要請に条件闘争だったのでしょうが
総裁にしてくれるなら
との発言報道に世論の潮目が一気に変わったのは記憶に新しい。その後の知事放り投げ、都知事選落選、そして今回のフグ事件主役と、マイナスイメージしか発信しなくなってしまいました。
ついていないときは何をやってもダメだという証左でありますが、来年から巻き返しに転ずることができるのだろうか。この正月は、フグ肝より美味しい
カワハギの肝
でも食べながら戦略の練り直しをする必要があるでしょう。