毎時6トンの注水はどこに行っているのか

久々の原発ネタであります。東電は、福島第一の1号機格納容器の水棺化に支障なしとの見解を出したようです。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110426-OYT1T00828.htm

原子炉建屋には配管が複雑に配置されているのですが、わずか2時間でしかもオモチャみたいなロボット2台で本当にすべてチェックできたのでしょうか。
3号機でしたっけ、湿度が高すぎて放射線量計さえ読めなかった優秀なロボットが、複雑な配管をわずか2時間でチェックできるとは、純粋無垢な方以外なら信じないと私は考えます。
しかしこの記事はもっと信じられないことが平然と書かれているのです。

毎時6トンの注水を続けているが・・・

未だに外部から毎時6トンの注水を続けているとのことですが、圧力容器や格納容器に水漏れがないとしたら、その水はどこへ行っているのか。
毎時6トンということは1日で144トンの水が入る計算です。ということは

10日で1440トン 1ヶ月で4320トン

以前のブログに書きましたが、水の1トンは1m3であります。記事にある圧力容器のポンチ絵から格納容器の容量をざっと計算してみましょうか。
高さが20メートル程度のようですから、イメージ的には直径20メートルの球体より小さいのではないか。球体の体積の公式は4/3πr^3ですから

4x10x10x10x3.14÷3=4187m3

であります。どう考えても5000トン以下ではないか。つまり少なくともこの格納容器は

1ヶ月前後の毎時6トンの注水で満杯になってしまう

という計算になります。格納容器から水が漏れていないならばですけど。
注水をはじめてかなりの日数が経っていると思うのですが、まだ注入し続けることが出来るのか。

格納容器から水が漏れていないんでしょ!

今後毎時10トン、そして14トンに増やすと書いてありますが、そうなると半月持たず格納容器は水で満杯になってしまうではありませんか。

冷却は冷却水を循環させなければ効果がありません。ところが現在まで、冷却水の循環が復活できたという報道はありません。あんな過酷な環境(放射線量が高すぎる)では、当分の間循環システムは復活できないでしょう。

百万が一格納容器に水漏れがなく、順調に注水で容器内に水が貯まってしまったとしたら、崩壊熱を出し続ける燃料棒のおかげで

格納容器内は沸騰して加熱しつづける

ことになるではないか。注水を続ける限り

格納容器から水を漏らさないと冷却効果はない

と理系出身の私は考えるのです。

水棺化(格納容器を水で満たす)したとしても、その水は順次循環して冷えた水を注入し続けなければならないのは、文系の方でもわかる理屈だと思うのですが、読売新聞の記者にはその矛盾がわらないのか、それともわざとダマされて記事を書いているのか。
友里ブログ、人気はないですが結構マスコミの方はチェックされていると聞いております。

友里の計算や考えが根本的に間違えているのかどうか、活発なご意見をいただきたくお願い申し上げます。