来年予定している出版本のご紹介

時々ブログでミニ宣伝している友里征耶初の「オススメ本」。今年後半は、掲載するにあたって最終確認をする意味でプレリスト(初年度のミシュラン風)にある店の再訪に大半を費やしております。
京都を含めた和食や鮨などのジャンルはだいたい固まったのですが、肝心のフレンチとイタリアンの再訪がはかどっておりません。フレンチで未訪問(最近再訪していないという意味です)が10軒、イタリアンも8軒くらい残っているでしょうか。

単純に考えても週5日つかったとして1ヶ月はかかってしまいます。これだけに特化できませんし、他のジャンルでも残っている店がありますから、最終的に確認が終わるのは1月末までかかってしまう計算になります。
初稿の期限は2月末、発売は4月はじめを狙っていますから、友里にとっては結構タイトなスケジュールに追い詰められてしまいました。年開けてから店再確認とパラで原稿を書いていけば良いのですが、こと原稿書きに関しては先送りする体質でありまして、締切日が迫ってこないとなかなか自分に鞭を入れることが出来ません。

思えばデビュー当初は純粋でした。仕事の依頼が来たらすぐ対応して原稿も締め切り日と関係なくすぐ提出していたのです。
当時は日刊ゲンダイのコラムを週に5日分ベースロードで持っていましたが、難なく原稿を書けていました。
本来なら慣れがでてより原稿処理のスピードが上がっているはずなのですが、私の場合は逆。コラムに関しては以前の倍の時間をかけているかもしれません。

その理由は2つ。
1つは名誉毀損裁判で敗訴した経験から、

辛口のトーンを薄めることなく、提訴の口実を与えないような文章

をない頭で都度考えているからです。
さとなお氏や関谷江里さん、門上さん、マスヒロさんのように、

ヨイショ

に徹していたら、原稿なんて滝の水の流れの如くあっという間に仕上がってしまうだけに実に非効率な仕事をしていると思ってしまいます。もう1つの理由は

出がらしに近くなった

ということでしょうか。正確には仕事のオファーが年々多くなってしまって、友里らしい面白さ(独自性)を出していくのが大変になってきたということです。
マスヒロさんたちのように、何回も同じような事を使い回して出版を繰り返すことを潔しとしない友里。出版に関しては特に

新味

を出すよう考えております。
J.C.オカザワのパート2もの(庶ミンシュランとかドクロ本)など安直な続編がことごとく失敗していることをみるにつけ、

初版印税貰い逃げ(増刷がなく初版が売れ残ったという意味です)

だけは避けたいと思っているからであります。
映画もそうですが、だいたい続編というものは初編を上回る出来になりません。拙著の「シェフ板」の続編(赤本)は、自分で言うのも何ですが初編より出来が良かったと自負しているのですが、売れ行きは初版より減ってしまいました。
この教訓から、同じような切り口の本は楽ですけど避けるようになったのです。
切り口が斬新だと言っても、組んだ相手(J.C.オカザワ)が悪かった「グルメバトル」も売れ行きがパッとしませんでしたから、珍しい企画が良いと言うものではありませんけど。

さて、そろそろこの友里征耶初のオススメ本の出版社を公開することにしましょう。大方の予想を裏切るかもしれませんが

鉄人社

であります。この友里に「オススメ店」を書かせるというのは、関谷江里さんや門上武司さん、そして大御所マスヒロさんに

公正な店評価

を求めるより難しいと思うのですが、鉄人社編集者の熱意に乗ってしまいました。
出版社名まで明かしてしまいましたから、この数ヶ月で企画が潰れることのないよう祈るばかりであります。

ついでにオススメ本の次の出版も控えていることをここに開陳します。T社からのオファーで

誰も書かなかった有名店の真実(仮題)

を来年後半に出版予定であります。
「グルメの嘘」(新潮社)と被るとオカザワの二の舞になりますので、如何に新鮮味を出すかが問題です。

さてそろそろ出発の時間が近づいてきました。これから時差のある地へ出かけてきます。現地から可能ならオンタイムな情報もブログに書きたいと思っております。
1週間後には日本の店訪問に復帰する予定ですので、しばしお待ち下さい。