有名作家までもが勘違いか

大麻所持、暴行傷害容疑につづいて、昨日は1つ星シェフの愛人問題が週刊新潮に大きく取り上げられていました。良く言えば天真爛漫なのか、吉野シェフのコメントは世間の風を読めない、浮世離れしたものでありました。まわりの人がチヤホヤするからなのか、舞い上がり勘違いしてしまった結果のようですが、ある意味接触範囲が狭い業界なだけに、広い視野をもつことがなかなか難しいようです。
しかし勘違いは料理人だけではないようです。数ヶ月前の古いネタを思い出してしまいました。
確か週刊文春だったと記憶していますが、エッセイやコラムで特に女性に人気のある林真理子女史の食スタイルの一面が書かれていました。有名人気作家、林真理子女史を取り上げて問題提起することは、飲食店ガイドのセミプロ、「さとなお」さんを遡上にするよりファンの反感をかい、叩かれるのはわかっているのですが、おススメレストランなどのコメントも多い女史ですので、思い切って書いてしまいましょう。
誌面では、お気に入りの寿司屋では大好きなコハダを食べ続ける様が書かれていました。普通の一般客がトロや穴子を数貫追加するようなレベルではありません。わんこそばのように、次から次へと握らせ食べ続け、その数は数十貫に及ぶとか。30貫近く食べると自慢しているのですから驚きです。
そこまで食べ続ける女史も何ですが、他の客をほったらかしたまま有名作家を特別扱いして握り続けるその寿司屋の主人は非常識そのもの。「林さんに全部出してコハダは売り切れです」と嬉しそうに話す主人は「職人の矜持」というものもまったく持ち合わせていないのでしょう。
1貫づつ一通り食べなければならない「お任せ」システムが良いとはいいません。「お好み」で食べるのは決して悪くはない。しかし、そこには大人というか社会人としての「一般常識」が働かなければならないのではないでしょうか。
他の客でもコハダ好きはいるはずです。未曾有にコハダが沸いてくとは思っていないでしょうから、自分だけが食べきってしまって罪悪感を持たないとしたら、自分はまったく常識を持ち合わせていないと開示しているようなものです。
有名だから、人気があるから、店の常連だから少々の我がまましても許されると考えているのでしょうが、有名人だからこそ、より襟を正し他人に迷惑をかけないように気をつける、というのが「賢者」の考えではないでしょうか。普通の思考の方なら、「コハダ買占め」を自慢すること自体、人格を疑われると危惧するはずですが、有名人気作家は既にそのような自己判断が出来なくなっているようです。私はこれだけ世間から「特別扱い」されている大物なんだ、と自慢したいのでしょうか。
料理人だけでなく、作家までもが周りからチヤホヤされて自分を見失いやりたい放題。
女史は古くは「青柳」、最近は「定谷」を絶賛するなど飲食店への影響力がかなりある人。また店側も女史の絶賛を集客に利用しているようですが、私はそのような店で一般客が楽しく過ごせる確率はかなり低いと考えます。