最近訪問した店 短評編 1

日刊ゲンダイのコラム「行っていい店わるい店」が4月からお休みとなっております。よって秋に再開(あくまで予定です)するまでその原稿を半週間遅れでアップしていた「店評価ブログ」もお休みです。
「覆面辛口料理店ライター」とか「覆面コラムニスト」と自称している友里の公式サイトで「店評価」がないのは変ですので、この「トモサト ブログ」でまた08年版の「短評編」を再開することにしました。
本日は第一回です。「最近・・・」と称しておりますが、特定されることを避けるため、世間一般の「最近」ではありません。この「最近」は数ヶ月以内と考えてください。
おすしやさん 西麻布
変わった店名であります。雑誌で紹介されていた主人一人、よってセルフサービスによるフリードリンクで、一人1万5000円予算と価格を固定している寿司屋であります。
どこで修業されたかわかりませんが、若い主人はちょっと偏屈。「急いでますか?」、「ゆっくりして行ってください」が口癖のようですが、あまりにマイペースなので、2時間以上かかってしまいました。「次郎」のように急かされるのも嫌ですが、ゆっくり過ぎるのもいかがなものか。何事も適度というものがあると考えます。
スシですが、私が「寿司」と書くことから、あまりいい印象は持っていないと容易に想像がつくことでしょう。西麻布近辺にはそれほど傑出した鮨屋はありませんが、その中でも平凡というか、ちょっと「江戸前」とは違うと思います。
雛鮨 六本木
行かなければ良かった。今まで築き上げたスシのイメージが一気に崩れ去りました。学生時代の仲間の集まりで、「スシ食べ放題、飲み放題で5000円」に急きょ参加を決めたのですが・・・
注文は各テーブルで紙に書いて出すのですが、最初の一皿(といっても人数に見合ったかなりの数)は店が勝手に見繕って出してきます。店にとって都合の良いタネを使って、ある程度お腹を一杯にさせる戦略のようです。
タネは回転寿司レベル並のようで、街場の寿司屋よりがっかりするかも。
ここへの訪問を2回弱我慢すれば、麻布十番の「まつ勘」へ行けます。私なら今後はそうするでしょう。
同じ店内では「しゃぶしゃぶ」の食べ放題もありますが、このスシの食後感から考えて、訪問するのをやめました。
けやき坂 六本木グランドハイアット内
ホテルについてからもアクセスの悪い店。6階の飲食店フロアを通り越し、奥のヒルズ側の階段を降りなければたどり着けない辺鄙なところにあります。
以前はバイキングもある「北欧料理店」だったそうで、不振から鉄板焼に変わったそうです。ミシュラン1つ星なので、「モウラ」の取材のために訪問しました。
まずはワインが高過ぎます。リストもシャンパーニュが10種、白が20種  ほど、赤も27種とプアなものなのですが、なぜか「葡萄マーク」が付いている不思議。コースも1万7000円以上と高過ぎです。
味濃いマグロのタルタルにはニンニクを使用しているのに、肝心の牛ステーキは「欧州式」だとかで基本的にはニンニクを使わないそうです。
それなのに、ゴマソース(ゴマ 味噌 みりん)やトマトソースなど味濃いものを用意しています。シンプルに塩でいただきましたが、それほどの質を感じませんでした。
値付けの高いワインの中から絶対額の安いワインを頼んだとしても、一人3万円近くかかります。
この食後感では、再訪はないでしょう。同じ鉄板焼でも近辺の西麻布「馨」の方がはるかに満足します。