読者の方から教えていただき購入した東京カレンダー5月号。37ページから5ページ使って新津氏の「つけ場復帰」を宣伝しております。
正確には、「西麻布 青木」の小さなカウンターを借りて週一回握るとのこと。酢飯は独自のものを使うがタネは青木の仕入れに任せ、4名限定で一人3万円以上とかなり高額な設定のようです。
しかしこの新津氏、世間というかヨイショ系雑誌やヨイショライターたちに「鮨の天才」のごとく崇められておりますが、本当にすごい人なのでしょうか。
伝説の鮨屋「きよ田」を訪問する錚々たる文化人、財界人に愛された鮨職人ということになっておりますが、この文化人、財界人が本当に味のわかる人たちだったのかどうかの検証がありません。
J.C.オカザワ、マスヒロさん、過食のオコチャマ、と皆「俺は味がわかる」と言った者勝ちのこの世界。勿論この友里も例外ではありません。しかし我々は巷で「味音痴」と言われることもありますから、「味わい能力」に絶対はないはず。有名陶芸家も有名作家も有名評論家も「なんぼのものじゃい!」
私は残念ながら藤本繁蔵氏や新津氏が主人であったときの「きよ田」を訪問したことがありません。ただ「東京カレンダー」で新津氏を絶賛している梅谷昇氏、20代後半で訪問したほどの経歴を披露していますが、それならば現在「ゴッドハンド」、「世界一」と祭り上げられている「次郎」の鮨との比較をするべきではないでしょうか。「きよ田」全盛時に「次郎」はしっかり営業していたはず。場所も近いし、当時から「次郎」も知る人ぞ知る鮨屋でした。
しかし「次郎」と「きよ田」を比較して評する、もしくはヨイショする評論家、ライターを私は知りません。
「魚は嫌い。マグロは食べない」、「鮨は難しくない。私は修業していない。『きよ田』を任される時1週間だけ握りの練習をした」と公言する新津氏。本当の伝説の鮨職人と言われる藤本氏の薫陶も実は受けていないと藤本氏の一番弟子(といっても数年間らしい)である「鮨処 すゞ木」の主人も言っておりました。藤本氏が引退する時新津氏はまだ小僧さんだったからだそうです。
皆さんは、「フォアグラやキャビア、オマール、仔羊が嫌いで食べない」と公言するシェフのフレンチへ行きたいと思いますか。「マツタケ、鱧、鮎、鯛が嫌いで食べない」と公言する板長の和食屋へ通いますか。「牛肉が嫌いで食べない」という料理人のステーキ屋へ行くでしょうか。
なぜに新津氏だけが特別扱いされるのか、友里は不思議でなりません。(ニンニクや唐辛子が嫌いな有名イタリアンシェフはいますけど)
友里は確かに鮨の修業は和食より簡単だと発言していますが、「春、夏、秋、冬と季節に一度、京都の「松鮨」に3年間通って主人の握る姿を見たのが修業」というまったくの自己流で果たしていいものでしょうか。
「魚嫌い」、「修業していない」というキャッチが逆に宣伝手法に見えてしまうのは友里だけでしょうか。独特の営業方針や高価格、高飛車な態度が俗にいう「お偉いさん」にウケただけではないか。現在の「次郎」に通じるものがあると私は考えます。
職人と言われる割に、TVや雑誌への露出も多く本まで書いてしまう商売上手な新津氏。私は小野二郎さんとある面ダブって見えてしまうのです。
新津武昭氏に関するご意見等をお待ちしております。