ただの外食好きの方の個人ブログならわかるのですが、食や料理に造詣が深いと自称し、何冊も本を出版されている人がブログやコラムで店名を挙げずにその店の料理を絶賛する意図が友里には理解できません。
私もそうですが、食や酒類に関する本を出版し印税をとり、雑誌や週刊誌、TVなどに登場して謝礼をもらうプロライターや副業ライターがブログやコラムで発言する内容は、一般の方のブログより注目されますし影響力も大きいはず。そういうプロ、セミプロは、飲食店に対して発っするコメントに何を託しているのでしょうか。
問題点をまったく挙げず取り上げた飲食店や生産業者をただ絶賛するだけのライターがほとんどですが、たまには問題提起するJ.C.オカザワ氏やこの友里も含めてプロ・セミプロのライターがブログやコラムを発信する目的は以下の項目であると考えます。
1、有名、無名を問わず、こんなにおいしい店・食材・酒類があると世間にしらせたい。世間の人にこんな素敵な店があると純粋な気持ちで知ってもらいたい。
2、マスコミなどでは絶賛だが、実はたいしたことない店・造り手もあるということ、店やメーカーの都合の良い口上を一方的に聞くのではなく、色々な問題点を世間に訴え皆で議論する事が、公共(一般読者や一般客)の利益になると考え、あえて辛口の評価もする。
3、ブログやコラムを発信し続ける事により、知名度を上げて、より多くの仕事の依頼を期待する。
4、こんなに私は物知りなんだ、隠れた名店を知っているぞと自慢して自己顕示欲を満たす。
5、信奉者からの賛同のメールなどをもらい、自己陶酔したい。
6、アンチファンの反論を聞いてディスカッションしたい。
こんなもでしょうか。この友里も多かれ少なかれ、このような意識を持っている項目であります。主体は、2、3、6ですけど。
しかし、この中で3項目以降は、書き手の勝手な都合を優先しているだけで、読者にはほとんどメリットがないことだと考えます。
ここで掲題に戻ります。マスコミの取材を嫌い、常連や近隣の客を大事にしている店を、店名を公開せず、こんなもの食べて美味しかった、と発表して読者のためになるでしょうか。公共の利益になるものなのか。対象物が特定されないのですから、読者はただ「さすがだ。我々の知らない凄い店に出入りできるんだ」と感心するだけであります。書き手のメリットしかありません。
こんな自慢話しは、不特定多数の読者が見るブログやコラムではなく、身内の会合で自慢すべきものだと考えます。いったい、こんな内容を発信して、何を訴えたいというのでしょうか。
店側にも迷惑なことです。マスコミ拒否しているなら、わざわざネットで晒すことはないでしょう。しかも、ご丁寧に「最寄り駅」と「店のジャンル」らしきものは書かれています。ということは、本気で探せば、もしくは自分のネットワークを駆使すれば、探し当てる事も可能であります。
興味本位で探し当てた一見客が殺到して店の雰囲気が変わったらどう責任を取るのでしょうか。
それともこれは「集客を狙った高度な営業戦略」なのかもしれません。「東京カレンダー」はじめ飲食店紹介雑誌でたまに見るのですが、料理や内装を写真に撮らせて掲載させても、住所(近辺のヒントが必ずありますが)、連絡先、店名などをわざと隠して読者の興味を引くというものです。
どちらにしても、「店名非公開で絶賛して何したいんだ」との問いかけに、まともに答えられるライターはいないと思います。
ライターの発言はあくまで読者の判断にゆだねるのが友里の信条。受け入れられない発言を続けるライターは淘汰されるからであります。ライターが読者に訴えず、別の機関へ判断を求めては、ライターではなくなると考えます。
皆様のご意見を頂戴したいと思います。