外食のススメ

福島第一原発事故、御用学者の立場でなくはっきり問題提起していると言われている武田邦彦氏が

最悪な時期は過ぎた・・・

と言っているので、ひとまずこれ以上の爆発や大量放射能漏れの可能性は薄れたのかもしれません。でも私は疑問や不安に思うことがいくつかあるのです。

1、緊急事態の山は越したとして、本当に事態は収束(放射能の漏洩が止まる)するのか
2、仮に放射能漏洩が止まり封じ込めたとして、当該原発の何キロ範囲までが、この先何年「立ち入り禁止」になるのか
3、計画停電は今後どのくらい続くのか
4、原子力発電所の建設許可や再開許可を出す首長が今後もいるのか
5、消防隊の総括責任者が記者会見の際、涙声で「・・・部下や家族に申し訳ない・・・」と発言したように聞こえたのですが、かなり深刻な被爆にあったのではないか

人伝ですが永田町関係からの情報では、「向こう何十年も、福島第一原発を中心にかなりの範囲で立ち入り禁止になる」といったものがありました。
決死の水掛けである程度沈静化したら、チェルノブイリのようにコンクリートなどで覆って封じ込めなければならないのではないか。
そしてその後はある範囲で長く立ち入り禁止、そんな状態になるような予感がします。

TVの御用学者達は、発電所近辺で10マイクロシーベルト、20マイクロシーベルトという放射能が計測されても

1回のCTスキャンのよる被曝量を考えるとまったく問題にならない

と発言しています。でもこれらTVの御用学者たちはわざと被爆放射線量の単位を混同して説明しているんですね。
測定値のマイクロシーベルトは時間当たりの量です。反面スキャンやレントゲンの被曝量は総量であります。

つまり、10マイクロでも10時間浴びれば100マイクロシーベルト、100時間(4日チョイ)居たら、軽く一般人の年間許容量である1ミリシーベルト(1000マイクロ)を超えてしまうんですね。1ヶ月いたら大変な量になります。
北茨木市では、5マイクロシーベルト/時間を計測したとありました。胸部レントゲンの1/10程度で問題ないと公表されていますが換言すれば

10時間いたらレントゲン1回分の被爆

となります。100時間(4日チョイ)いたら、レントゲン10回、放射線レベルが下がらず1ヶ月いたら、なんとレントゲン72回分に相当してしまうのです。普通

年にレントゲンを70回

も受ける人はいませんよね。いくらレントゲンの1/10だから安全と啓蒙しても、放射線が漏れ続ける限りレントゲンの回数は時間の経過ともにどんどん増えてしまうのです。
本当に安全だと思っているなら、御用学者たちは福島原発から20キロか30キロのところに仮設の屋外スタジオを創って、そこでTV出演して安全を訴えるべきだと考えます。

計画停電ですが、東北太平洋岸の火力発電所(広野や常陸那珂)がダメージ受けて当面の操業は無理。停止している火力発電所も数ヶ月では立ち上げられないのではないか。原子力も福島第一、第二はもう使えないでしょうから、望みは柏崎刈羽のみ。
東電と政府はちょっと検討(柏崎刈羽や停止火力の立ち上げ時期)すれば簡単に発電量のスケジュールが作成できるはずです。計画停電は本当に

4月下旬で一息つくのか
夏場だけまた計画停電すれば乗り切れるのか

一刻も早く国民へ開示するべきではないでしょうか。
あくまで私見でありますが、少なくとも年内は計画停電から逃れることは難しいと私は予想するのです。

通勤だけではなく工場などの操業に大きな影響を与える停電です。停電時間中だけ操業が止まるのではなく、機械やコンピューターの特性から停電の前後もかなりのロスタイムが発生してしまいます。はっきり言って午前や午後に計画停電が当たった地区の工場では仕事にならないのではないか。
1ヶ月続いただけでも企業としては大変だと思うだけに、何ヶ月も続いてしまったら決算予想どころではないはず。

政府と東電は原発事故の隠蔽に加えて、この停電についても重要な情報を発信していません。いやそこまで考える余裕がないのかもしれません。
一刻も早い原発事故の収束を望んでおりますが、日本国全体として復旧・復興に貢献するには経済活動の復活が必須であります。

そして原発の今後も問題です。今回の大事故で原発を受け入れる自治体はなくなるのではないか。原発は必要だけど自分のところには来てもらいたくないと拒絶するのは人間として仕方ないかもしれません。
でも、そうなると電気が足りず今までのような生活を捨てなければならない。

江戸時代に戻るのか、原発を許容するのか

の大判断を日本国民は早晩下さなければならないと友里は考えます。
近々のブログに詳しく書くつもりですが、江戸時代に戻りたくないなら、原発再開以外に道はないかも。そうなると、今回の事故は

極めて異例で人災に値する

として、特定の組織や個人の責任所在をはっきりさせるしか方策はないでしょう。

当初の計画を変更し、なぜ40年以上前の原発を使い続けていたのか
原子力の定検期間を半減して稼働率を上げようとするなど、利益優先の会社方針が果たして正しかったのか

などをしっかり検証しなければ、日本の原子力の火は消えてしまうと考えます。

外食産業の厳しさが耳に入ってきます。あのロオジエやカンテサンスも一時期店を閉めていたとか。オープンしても客がゼロに近い店も多いのではないでしょうか。友里掲示板では、こういう時期だからこそ

世間に外食をすすめるのが友里唯一の存在価値

との指摘を受けました。
ドタキャンを嫌う友里、大震災後も予約した店には連日通い続けていたのですが、内心は

こんな時期に悠長にお金使って外食して良いのだろうか
他に客が居ないなら、キャンセルした方が店にとって良かったのではないか

と悩み続けておりました。
未曾有の大災害に予想のつかない経済事情。どうしても萎縮がちになってしまいます。
でも、自転車操業とは言いませんが運転資金は日々の売り上げ頼りの中小規模が多いのが外食業界です。

性格の悪くない主人の店、多店舗展開していない店、頑張って高CPを維持している店は一般客にとって大切です。
今回の震災で本業に影響が出るかもしれない友里ですが、個人的には宵越しを考えていないだけに、微力ながら今後も外食を続けようと思っております。

自称食通、外食好きの皆様。
計画停電と先の見えない経済状況での外食は大変でしょうが、この時期訪問すれば店にとってソワニエに昇格するかもしれません。
訪問すべき店か行かなくても良い店かどうかを取捨選択するという条件で、出来る範囲で外食に精を出して下さい。