友里征耶のワイン談義 2 ワイン会の参加費について1

8年前までは精力的に参加していたワイン会。また自分でも月に1回は開催しておりましたが、友里征耶としてデビューしてから参加も開催もすっかりご無沙汰となってしまいました。店訪問や原稿書きが増え、本業を考えると時間的な余裕がなくなってしまったからです。

ワイン会には大きく分けて2種あります。
1つはワインショップやレストランが常連客などを対象とする商業的ワイン会。もう1つはワイン好きやワインコレクターなど「素人」が個人的に仲間などを集って主催するワイン会。
当然ながら営利目的である前者は開催するレストランも豪華。もちろん肝心のワインも目玉を用意していますから参加費が何万円というのも珍しくない。
後者は高額ワインをいうよりワインをもっと楽しもう、という傾向が強くレストランもそれ相当の店。営利を第一の目的としていないので参加費は1万円以下がほとんどだったと記憶しております。

パソコン通信なるものが未だあった頃でしょうか。ニフティのワインフォーラムに入って頻繁にワイン会に出るようになって感じたことは

このワインのラインナップでは物足りない
その割に食事を入れた参加費が高いのではないか
主催者はレストランの食事代を支払っているのか

でありました。個人でもどんどんワインを集めていた頃でして、レアワインや高級ワインもオークションやワインショップへの通いつめで集めまくっておりました。
素人が主催するワイン会のワインが物足りなく感じるようになったと同時に、ワインの相場感も鍛えられていましたから、ワイン会自体のCPをせこく考えるようになったのです。

このレストランでこのワインでこの参加費は高すぎるのではないか
主催者は食事代を浮かしているどころか利益を乗せているのではないか

と疑問を持つようになったのです。本来素人の主催するワイン会で利益を追求することに疑問をもっていた友里。それでは自分でコレクションの中からワインを提供して自分でやってしまえと考えたワイン会のコンセプトは

ワイン代と食事代の完全分離

でありました。つまりワイン代と食事代を分離させることにより、より透明性を出すことを狙ったのです。フランケン幹事長の得意技になっているようですが、基本を「完全割り勘」としたのです。

ワイン代は購入値を参加人数(主催者もカウント)で割り勘
食事代はその場で請求書を割り勘
定員は主催者入れて6名以下を原則とする

ワインは購入先と購入値を明かして参加者を募集するという、自分で言うのも何ですが画期的な

ワイン会革命

を目指したのです。要はワイン会で儲ける、食事代を浮かす、なんて素人ならみっともないという偏屈な考えがベースだったのですが、定員を6名以内に絞ったこともあって毎月満席でありました。
10名を超す定員で募集するワイン会が多いようですが、何種類あったとしても1本で50cc程度しか味わえないなんて寂しい。食事と共に楽しめないではないか、という酒飲みの発想でもあります。

主催者側は手間だけかかって何もメリットがないではないか

といった反論もワイン会主催者からでるかもしれませんが、自分のコレクションから身内だけで1本開けるのは、レアなワインになるほどなかなか決心がつかないもの。
ワイン会に提供することによって思い切ってワインを消費することが出来ますし、割り勘とは言え参加費をいただきますから投資した資金もある程度回収できます。
つまりこのような「ワイン会革命」をしても、主催者にもメリットはいくつも残っているのです。ここに更に利益を加えてしまってはそれこそ

やり過ぎ、儲けすぎ

ではないかと私は考えたのです。

イントロが長くなったのですがここからが本題であります。
不景気でワインショップなどが主催するワイン会が激減した中、素人が主催するワイン会はしっかり生き残っているといいますか、かなり進化(悪化)していることを最近食べ仲間から聞いて私は驚いたのです。

いつの間にか株式会社化して素人主催ではなくなってしまったワイン会のHPを見て私は唖然としました。
問題点含め詳しくは次回のシリーズに述べたいと思いますが、件のワイン会のヒントだけでも書いておきましょう。

ブル○ー○○魂

というサイト主催のワイン会であります。元は勤め人だったようですが、ワイン会スケジュールを見ると11月だけで(東京だけではなく関西や広島などでも)19回も計画しています。おそらく勤め人をやめてワイン会主催専業になっているのでしょう。

次回をお楽しみに。