政府は今回の原発事故で、避難区域に事業所があり休業を余儀なくされた企業や個人事業者を賠償の対象にする方針を決めたようです。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110421-OYT1T00034.htm
当然と言えば当然なのですが、友里はこの避難区域にあるすべての企業や個人事業者を対象にするべきなのか疑問であります。その疑問と思う対象とは
原発関連の企業や個人事業者
であります。原発とまったく関係のない企業や個人事業者の休業補償は当たり前ですが、今後の存続を問題視されている原発の、しかも事故を起こした福島原発で
喰ってきた企業や個人事業者を救済する必要があるのか
避難期間は福島原発からの距離によって異なるでしょうが、1年や2年で終わるはずがありません。場所によっては
10年単位
になるのではないか。原発の新規建設の凍結や定検・保守の減少で、原発関連の仕事が激減するのは必至。
福島原発とまったく関係のない地にある原発関連企業の売り上げ激減が予想されるなか、福島原発関連の企業だけが今後長期間にわたって減収を補償されるのは
不公平
ではないかと私は冷静に考えるのです。
さてこの原発問題でありますが、ドイツやイタリアだけではなく、韓国や原発大国のフランスでも見直しの動きが出てきたのではないでしょうか。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110420/k10015428081000.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110420-00000018-yonh-kr
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110413-00000088-mai-int
いや、フランスだけではなく肝心のアメリカまで原発の将来に懸念を示すようになりました。
サウス・テキサス・プロジェクト原発3・4号機、東電が出資を断念したにもかかわらず1週間前までは強気の姿勢を貫いていた東芝でしたが、肝心のNRGエナジー(アメリカの大手電力会社)が
投資打ち切りを発表
してしまいました。
今後は新しい投資先を探さなければプロジェクトの継続は不可能となるでしょう。しかしこの世界的に厳しい原発アレルギーの中で、果たしてこの大プロジェクト(100億ドル)の9割近くを負担する出資に
株主を納得させて名乗りを上げる企業
が出てくるかどうか。その間、米国内での種々の認可や債務保証の手続きなども担当しなければならず、東芝の負担はかなりなものになるでしょう。
この原発はABWRといいまして、改良型の沸騰水型軽水炉ですが、アメリカはこれとは違う加圧水型軽水炉の建設を10基以上も計画しておりました。このプロジェクトにも大きな期待をしていたのがこの東芝はじめ日本の原発関連各社。
アメリカでの沸騰水型原発の建設が不安視されている中、加圧水型原発がそしらぬ顔で今後も建設を続けられるのか、私は疑問であります。
先進国は撤退してもベトナムやトルコなど新興国の原発ニーズは変わらないとの考えもありますが、5年単位での遅れは避けられないのではないか。
何しろ肝心の福島原発が数年は終息せず緊張状態が続くことが予想されるからです。日本企業の原発構想は大きく見直さなければならないと私は考えます。
元々は福島原発の事故から派生した世界的な原発事業凍結であります。二次的とはいえ東電に責任があると強弁する企業も出てくるのではないか。
しかし、とらぬ狸の皮を数えて多額の先行投資をしてきた東芝はじめ原発関連企業までは
補償の対象とならない
と推測されるだけに、今後のアメリカや新興国の動向に注目であります。