先日、副業の仕事関係者から
会社が減益になっていないのに給料が下がったのですが、おかしな話ではありませんか
という質問を受けました。零細とはいえ会社の代表者である友里から、経営者の思考を聞き出したかったのかもしれません。もちろん回答は
減収でないのに社員の給料を下げるのはおかしい(他の社員と比較して明らかに仕事をしない、出来ない場合は別)
何らかの事情(今後の見通しが悪いとか)があるなら、その前に役員や幹部の報酬・給与を下げるべきだ
仮に減益になったとしても、まず大きく下げるのは
役員報酬
ではないか。会社の規模が大きい場合、役員報酬を切り詰めてもさほどの効果がないかもしれませんが、それでも社内外へのアピール効果はあります。その後の社員の給与カットへの抵抗も少なくなるでしょう。
ところが、世には赤字や無配のクセして社員の平均年収の何十倍にも当たる
億を超える報酬
を受け取っている厚顔経営者がいるというのですから驚きであります。
その代表としてはこの手の問題で常連のゴーン社長、日刊ゲンダイによりますと
約10億円
日産の単独決算は赤字であります。それなのに、億を超える役員が6人もいるというのですから呆れるばかりでします。
ソニーもしっかり3人が億を超えているとか。推測するに、極東の島国の会社から責任なく高額報酬もらい逃げを狙っていた外人経営者たちではないか。ストリンガー前CEOなどその典型例でありましょう。
そんな自分勝手な外人経営者を見習うかのように日本人経営者にも
貰える時に貰っておけ
と高額報酬ブームが到来してきているのが、現在の日本上場会社の現状であると考えます。
友里は飲食店経営者や料理人に
ヨイショは受けるが批判は受けないというのはいかがなものか
と問題提起してきました。良いところ取りは自分勝手だと。
それと同じく、最近のサラリーマン社長(創業系やオーナー系も例外ではなくなってきています)は
業績が上がれば俺のおかげと報酬を増やし、業績が悪化しても俺のせいではない(誰が経営しても同じ)と報酬を下げるのをしぶる
という自己中心的な人ばかり。彼らには会社の業績が上がった時も
誰がやっても業績が上がった
という冷静な分析がないのであります。
本来ならば株主がしっかり監視しなければならないのですが、その株主、物言う株主は少数派でして、議決権を支配する安定株主は銀行はじめ上場会社が主体であります。
つまり監視するべき安定株主のお偉方(勿論サラリーマン社長や雇われ役員です)が
高額役員報酬を貰い逃げしたい
と思っているのですから、監視できるはずがないのであります。
はっきり言いますと「お互いに高額報酬をもらい逃げしようね」と談合する
互助会
みたいなものなのであります。
最近は自己責任というのでしょうか、会社が左前になって破綻して株が紙切れになったとしてもそれは
株主責任
と突き放されます。でも、その左前に舵切りした経営者たちは
責任をとらない
んですね。儲かるとリターンを多く取るのですから、立派に破綻(減収減益や赤字も)へ導いてしまったら
逆に会社へ金を返せ
とまともな神経の持ち主である友里は考えるのであります。
また世には、株主配当金の総額と大差ないほどの額を臨時の賞与として
役員間で分配してしまう
といった非常識な企業もあるようです。社員に比べてはるかに多い報酬を貰っていながら、株主全員への配当総額と同桁の臨時収入を役員間で分配してしまうのですから、その厚顔さに驚きであります。
まともな矜持をもつ経営者なら
そんな余剰金があるなら配当へ回す
ことを最優先するはずであるからです。
サラリーマン経営者に限りませんが、人間は欲、特に金銭欲に弱いものです。
一銭でも多くお金を貰いたい
という気持ちは理解できるのですが、人は見栄や矜持を持っているのが動物と大きく異なるところであります。
友里は声を大にして言いたい。料理人や店経営者、料理評論家やフードライターだけではなく、大企業はじめ企業経営者に、そして友里自身も気をつけなければなりませんが
矜持を持て
己の欲と常に戦う姿勢が重要であると考えます。(自己顕示欲に関しては友里、戦っておりません)