昔、細川政権が短命に終わったのは、前政権（自民党）のスキャンダルを新政権側の番人が追求しなかったからだ、と聞いたことがあります。
番人とは警察や検察のこと。時の権力者を守るのが彼らの使命であるのは世界共通でして、韓国をみると非常にわかりやすい。ここのところ必ず前政権が徹底的に追求されています。ノーリスク・ハイリターンで政治屋をやられたら国民にはいい迷惑。甘い汁をすうならば、きっちりリスクをとってもらわなければ不公平というものです。政権交替はこの前政権スキャンダルの噴出が一番の見せ場のはず。これがなければ政権交替の意味がないと言っても過言ではないでしょう。

昨年の政権交替で、すぐさま自民党のスキャンダルが噴出して検察が追求すると思っていたのですが、出てきたのは二階さんの秘書のみ。郵政民営化の闇は刑事事件に値する、と野中広務氏が言っていたので、かんぽの宿関連、オリックス関連でどんどん闇が暴かれると楽しみにしていたのにまったくの不発。竹中平蔵氏に至っては、未だにしゃあしゃあとＴＶ討論に出てくるではありませんか。枕を高く安眠できる立場なんでしょうか。

出てくるのは鳩山首相と小沢幹事長の資金問題だけ。現政権が法務官僚をコントロールできないのか、現場が意地になっていて上層部の言うことを聞かず暴走しているのか、真相はよくわかりません。人は人事でコントロールすると言います。それまで持てばでありますが、人事の時期にならないと民主党政権は完全に法務官僚含め番人を掌握できないのかもしれません。
前政権のスキャンダル追求がないのは、鳩山さんと小沢さんが下手に抵抗しているからか。はやくこのでき物を切除するため、すべて本当のことを言って楽になり、前政権の闇に斬り込んでもらいたいものです。

小沢さんは選挙の神様みたいに言われていますが本当に「余人をもって代え難い」存在なのでしょうか。昨年、一応強面で「やり手」と言われていた古賀誠さん、誰が考えても下手うったというか笑い話にしかならなかった東国原さん擁立を仕掛けてしまった。自民党で選挙を仕切れる人のはずだったのですが、自ら転ける不始末をしでかしただけでした。
本当に小沢さんしか選挙対策ができないのか。身近で一回その手法を見れば、普通の頭の人なら真似くらい出来ると思うのですが、民主党にはその手の人材がないようです。
腐ったリンゴを置いておくとまわりも全滅します。とりあえず徹底的に資金問題を開陳して政権をやり直し、参院選挙までに自民党のスキャンダルを徹底的に暴き出すのが民主党にとって一番の参議院選挙対策だと素人的には思っております。

料理店側にも緊張感が必要であるのと同じく、国会議員はじめ政治屋にはより多くのリスク、すなわち緊張感が必要だと私は考えます。はやく民主党の看板を付け替えて、自民党のスキャンダルを徹底的に追求した方が膿や老害が一掃され、自民党も早く再生ができるのではないでしょうか。