しかし同じマスコミでこうも報道姿勢が違うものでしょうか、ほとんどのTVがミシュランガイドの煽り宣伝に徹していたのに対し、発売された週刊誌は女性誌の女性自身も含めて、週刊ポスト、週刊現代、週刊新潮、週刊文春とすべてミシュラン批判でありました。
報道機関でなぜこうまで違うのか。私はTVが「放送作家」という訳のわからない人種に毒されているのも一因ではないかと考えます。自分の存在意義を出す為に、人脈造りと視聴率アップへの提言だけを考えている人たちで、番組の質を追求しない。安易に数字が取る手法として何でも「煽り」を主体に構成しているのです。それにこの放送作家、秋元康さん、小山薫堂さんを筆頭に皆料理の本当のお味をおわかりになっていない。
TV出演が多いマスヒロさんや来栖けい氏もミシュランに肯定的な姿勢でした。でもオコチャマ、ミシュランガイドを参考に海外の店を食べ歩いたことあるんでしょうか。
ただ、機を見るに敏なことでは天才のマスヒロさん、世間に批判が多いのを知ったのか、発売前後に散々便乗して雑誌やTVに出まくってヨイショしていたのに、急に週刊誌で批判に転換しておりました。
昨日発売の2週刊誌に面白い記事が載っていたのでここに紹介します。詳しくは実物をお読みください。
週刊文春では、何と東京版といっても掲載している店は23区中わずか8区だとか。ミシュランは皿だけの評価なら8区にしか美味しい店が存在していなかったと弁解しそうですが、プレリストのデータ不足と調査期間の不足だと考えます。また、調査員が「何が名物ですか」とド素人のような質問をしていたことも書かれています。ホテル宿泊の経験は多いのでしょうが、所詮「食」に関してはこの程度のレベルの人たちなのです。
週刊新潮ではもう少し突っ込んで、店や料理人のコメントが載せられております。
「大学生が小学生にあれこれ言われているようなものだ」と真っ向否定するのはあの「みかわ」の早乙女氏。でも二郎さんと似たような考えの持ち主ですから、星に選ばれていたら嬉々としてTVに出ていたのではないでしょうか。
自店が不掲載だったことに対して、ノーコメントの吉兆や金田中、不掲載なのを話題にしてくれるだけでありがたい、と明るく語ったブルギニオン、行間に不満をにじませながら最終的にはノーコメントとするピンキオーリ、不掲載だった理由を自ら分析してくれたマキシムに北島亭などその対応は様々でした。
しかし面白いのは掲載拒否した店のコメントです。「かどわき」以外にも今回、「京味」の西健一氏、銀座「小笹寿し」の寺嶋和平氏の掲載拒否のコメントをはっきり載せています。
掲載を拒否すればよかったと言っている1つ星「古拙」の主人のコメントもありました。
「京味」、「小笹寿し」のほか恐らく「金田中」なども掲載拒否したのではないか。一々評価対象に掲載を打診する覆面取材に何の意味もないと思うのですが、これではマイナーリーグにワールドシリーズをやらせるような物ではないか。
本来覆面取材なら、店の都合など聞かず読者のために判断したとおりの評価を掲載するべき。ページ稼ぎに写真を必要と判断した段階で、ミシュラン東京版はただの「店紹介本」になったのです。
12/10発売の月刊誌にも書いたのですが、来年以降のミシュラン、苦しいのではないでしょうか。今年掲載拒否した店が掲載を了解することは考えられない。星がついて一回限りのミーハー一見客で荒れてしまい、今まで支えてくれた常連に迷惑かけた店も拒否に転じる可能性があります。
拒否から了解は客の支持を受けないでしょうが、了解から拒否なら常連の支持が得られると考えます。
どちらにしても、突貫発売のミシュラン、とにかく11月に発売することだけを優先した方針は今後に大きな課題を残したと考えます。