再び林真理子氏のコラムについて

友里は何も大作家・林真理子氏に相手にしてもらおうと思っているわけではありません。料理人と同じく有名人にありがちな「勘違い病」に女史もおかされている、有料週刊誌のコラムなのに内容が乏しすぎると申し上げたいだけであります。今回は偶然ではなく、読者の方から「先週発売された文春のコラムを読んでみろ」とのメールをいただき、読んでみて再び女史の高慢さ、勘違いに憤慨したのです。
前半部分は地方の有名鮨屋での話。その地在住のグルメな友人と訪れると、そこはお医者さんと薬屋さんの集団で、鮨を食べずに酒ばかり飲んでうるさく居酒屋状態だったとのこと。集団が帰り際、「田舎者」と叱責した友人を真のグルメと持ち上げておりました。
確かに鮨屋でツマミや握りに手をつけず酒ばかり飲んでいる客は問題です。煩いのも迷惑。しかし、林女史が大好きな「業界人」たちも似たようなこと店でやっているんではないでしょうか。昔の話ですが、当時通ってたという「青柳」でも、林女史は結構派手に食べていらしたと聞きました。秋元康氏など業界人と連れ立って食べ歩いているようですが、その雰囲気を迷惑に思っている一般客が結構いることに本人たちはお気づきでない。確かにお医者さんや薬屋さんの中にも隣の迷惑を考えない人がいるかもしれませんが、それはごく一部の人。「地方では医者なしで鮨屋をやっていけない。東京ではあり得ないことが地方では起こる」との友人の発言をそのまま載せるのは全国の医者と薬品メーカーの社員に失礼ではないか。
東京では「業界人」がわがもの顔で偉そうに振舞って、まわりの顰蹙を買っている場面を良く見かけます。東京でも同じように一般客にとって「業界人」や「自称グルメな作家(放送作家を含む)」など嫌な客層は存在するんです。お医者さんや薬屋さんより、あんたたち有名人と業界人の方が嫌がられる可能性が高いということがおわかりでないのは、女史が「裸の王様」だからと考えます。
コハダ好きな林女史の為、その地で仕入れられないコハダを特別に主人に仕入れるように頼んだという友人。本当にグルメなんでしょうか。普段のルートではなく仕入れたコハダが、上質である可能性は低い。主人はコハダの〆仕事にも慣れていないでしょう。本当に林女史を食通と思っていたら、味がわかる人だと思っていたら、友人はこんな泥縄な握りを頼まず、その地で主人が扱いなれている自慢できるタネの握りを依頼するはずです。パリへ行って和食好きだからといって現地の和食店へ連れて行かれるようなもんです。要は、どんなレベルでも関係なく、「コハダさえ出していれば満足する人」と友人に思われているのに、「わざわざ私の為に特別に準備してくれた」と錯覚して、自分の大物振りを自慢した「勘違い」なだけなのです。
またコラムの後半は、中国料理に詳しいという勝見洋一氏と連れ立って訪れた銀座の中国料理店での話。ファッションビルの隣にあり、内装やスタッフの制服に凝った、料理ライターや編集者がべた褒めしている店だというのですが、料理は「冷凍を戻したものを再冷凍して使用している」、「炒め物も造り置きしている」など最低レベルだとの勝見氏の見解を取り上げています。こんな凄い人と会食しているとの「人脈自慢」なのですが、有料雑誌のコラムで彼女は読者に何を提供したいのでしょうか。
そんな劣悪な料理店だったら、実名を公開してもらいたい。そうしてくれれば、有償で購入した読者は、ライターや雑誌で煽られてもそんな悪徳な店を避ける事が出来ます。原稿料をもらっているのですから、自分の「大物自慢」や「人脈自慢」など何ら読者に有益でない内容だけでは無責任というものです。少しは読者の為になること、参考になることを書いてもらいたいものです。
私はこの劣悪な店がどこだかはっきりいってわかりません。訪問したことのない店であることは間違いない。想像するに、ファッションビルとは「プランタン」のことなのか、それとも5丁目あたりの「並木通り」近辺のことを言っているのか。
キーワードは、スタイリッシュな内装と制服、そしてライターたちがべた褒めの銀座中国料理店。
どなたかおわかりの方がいらっしゃいましたら、メールでそっとお教えください。一度訪問してみたいと思います。