中国料理における化学調味料

今週月曜のブログで取り上げた「福臨門の化学調味料」に関し、結構な反響がありました。
「今更当たり前のことを言うな」といったもの(語調は柔らかいものもあります)がほとんどでありました。
しかし昨年11月8日の「店評価ブログ」に掲載したことで、驚いた「常連客」が店や二階堂ドットコムに相談し、「友里がデタラメを言っている」と批判されたのは記憶に新しい。
http://tomosato.net/blog2/2008/11/post_144.html
私は厨房に化学調味料が常設されているとの証言も得ての掲載だったのですが、福臨門が「無化調」を履行していると信じていた人も多かったということです。
機会がある度に書いていますが、再度私は「化学調味料」に対する考えを述べさせていただきます。
「化調」を悪魔のように忌み嫌う方もいらっしゃいますが、私は以前から全面否定しておりません。
高額店はさておき、廉価なお店ではその使用は仕方ないものだと思います。調理の手間暇と提供価格のバランスを考えたら、「必要悪」と言ったら言い過ぎでしょうが、使用は致し方ない。
また化学調味料の味に慣れ親しんでいる方も多い。そのような方が常連である高額店が使用するのも仕方ないことだと思います。投入しないと「味が落ちた」と感じる客の要求なのですから。
ただ投入量が問題です。理想は化学調味料の投入がわからない程度の使用量。せめて、敏感な人なら「入っているかな」と思われるところで止めていただきたい。
化学調味料はその名のとおり、あくまで味を調える「調味料」であって「主役」ではないからです。
最近は廉価な店だけではなく、高額店でも投入量が多くなっているように感じるのが残念であります。
「無化調」をウリにしていても、肝心の料理が不味かったら本末転倒。「無化調」でありさえすれば良いというのではなく、価格に見合った「美味しさ」がなければプロの料理とは言えないでしょう。
化学調味料に頼ることなく、無化調でも腕のある料理人が手間をかければ、化調入りとは別世界の「美味しさ」の料理も出来るということです。
「化調」と「無化調」の料理の違いが還暦近くになってやっとわかったのか、ここ数年で「無化調」の発言が目立ちはじめたマスヒロさん。
まずは、並木橋の「有昌」の「しいたけそば」の再評価をしていただきたいものです。