まず本日は大御所・山本益博氏に登場いただきます。
この9月はじめに出来たばかりの店の宣伝に勤しんでいますね。食べログのレビューでは「世界一安いトリュフ?!」のタイトルで
何でもここのオーナーがイタリアのトリュフ山のオーナーだそうで、山で売ってる原価だそうで。黒一個6000円、白一個1万円。重さを聞くと大体一個25〜30gだそうで。しかもこれ初物だから高いんですよって。シーズンたけなわなると今の半額だって!トリュフ大好きで世界中のレストランで食べるけど一桁安いよね!驚きました。
との表記。
この店は白、黒問わず、1個ずつ販売して客が自らスライスして食べるシステムのようです。
マスヒロさんも
残ったトリュフを持ち帰り、我が家で「目玉焼き」には白を「リゾット」には黒をふんだんにかけました。なんという贅沢な日曜日。
なんて言っております。
でもこのレビュアーとマスヒロさん、トリュフの知識がどれほどあるのか。
まず白トリュフと黒トリュフのイタリア内での産地は異なるはず。
百万が一オーナーがイタリアでトリュフ山(あくまで自称)を持っていたとしたら、白と黒の2山を持っていると言うことか。
しかもイタリア産の白トリュフといっても最高級と言われるアルバ産からウンブリアやトスカーナなど産地は色々ありまして、香りや味わいから価格までピンキリ。しかも時期によってもかなり出来が違います。本場でも9月や10月はじめではたいしたものは出回っていないはず。
また黒トリュフはフランス・ペリゴール産が超有名。友里はイタリア(アルバなど)でイタリア産の黒トリュフを試したことがありますが、フランス産とはかなり質(出来)が違います。
時期も白トリュフとは違いまして、黒トリュフの最高ものの旬は早くて年末から翌年2月までではないか。
おそらくこの時期に食べたこの店のトリュフは、価格なりのものではないでしょうか。
しかも価格設定にも疑問。
最高もののアルバ産白トリュフはキロ50万円から80万円と一般に言われていますが、黒トリュフは最高ものでも白トリュフの1/5以下ではないか。
よって白トリュフと黒トリュフの価格差が倍程度というのはまともな値付けではあり得ないのであります。
敢えて肯定的に受け取りますと
レベルの低い白トリュフとレベルが高めの黒トリュフ
ではないか。
ヨイショ(タダ飯も)ライターたちの店宣伝には料理の価格(正確にはその日の支払額)が書かれていない場合が多い。
タダだったり、便宜供与をうけているケースが多いので、価格的な面からの検証力が養われていない。
よって提供された白トリュフ、黒トリュフに関しては、店の説明を鵜呑みして垂れ流す(香りや味わい、出来の良し悪しがわからない)だけなのであります。
トリュフに限らず、すべての料理に関しても便宜供与の問題がありますから、彼らはまともな論評が出来ないのがおわかりいただけると思います。