ミシュラン調査員は口が軽いのだろうか

友里のところにはいろいろとミシュランの調査員の情報が入ってきます。先日取り上げた学芸大学「S」では掲載が決まる前の訪問時から名乗ってしまったと聞きました。
フランスでも調査員は最後に名乗るとのご指摘メールを何通もいただきましたが、その前から名乗るのはいかがなものか。掲載を決めていない店で毎回名乗ってしまっては、業界中に顔が知れ渡ってしまうでしょう。覆面取材も何もあったものではありません。
また、和食に無理にワインを合わせることも避けていただきたい。近くの酒屋で購入してそのまま合わせて飲んでいる調査員がいるとしたら、それはまったくのノーセンス。和食だけではなくワインの知識にも乏しいと考えます。
驚いたのは掲載されるジャンルではない店での彼らの会話です。気を許したのか自分たちがミシュラン調査員であることを語っていたと近くにいたという人から漏れ聞きました。
何でも3つ星から「ロブション、デュカス、ガニエールははずせない」と言っていたとか。これでは結論が最初から決まっているではありませんか。
経営姿勢やサービスを除いて料理だけならロブションは3つ星に値すると私も思いますが、ベージュや最近のガニエールが値するのかは賛否の分かれるところのはず。ミシュランの常連・ビッグネームというだけで結論が決まっているとしたら残念であります。
だいたい、この時期に東京版を発売すること自体が疑問。ガイド本や評価本が氾濫している東京で、ミシュラン独自の評価を示すことが難しいならば、わざわざ買ってまで読む価値があるのかどうか。
巷の評判や他のガイド本、評価本と真っ向食い違う評価をする冒険はできないでしょう。和食や鮨の評価もしなければならず、そのジャンルでの彼らの評価力は広く認められていないからです。
さりとて今回漏れ聞いたようにビッグネームにすんなり3つ星を与える予定調和では他のガイド本とまったく違いがでません。
業界に伝わっている調査員の言動が本当なら、その資質は知れているというもの。
果たして「さすがミシュラン」というべき内容ある本が出版されるか、期待外れに終わるか、友里は発売日を楽しみに待っております。