毎年恒例になっているのか、ホテルニューオータニの「ベル ヴュー」でのイヴェントに行ってきました。
昨年も1月、2月とあったこの星付レストランシェフの来日イヴェント。5日間だけの限定でして、1月はピエモンテ州のレストラン「ヴィラ・クレスピ」のシェフ、アントニーノ・カナヴァッチュオローネでした。
1つ星シェフとの紹介で昨年予約を入れましたが、最新のミシュランでは2つ星に昇格したのではないかとの情報もあります。
この「ベル ヴュー」、私はこの来日イヴェントでしか利用したことがないのですが、毎回不満に思うことがあります。ワインが高すぎるんです。フランチャコルタ(スプマンテ:発泡酒)が最低でも8千円前後、プラネタのシャルドネやドンナフガータのタンクレディが1万円前後の値付けにビックリ。小売の倍以上というか、タンクレディなんてネットで3400円くらいで軽く買えてしまうワインですから、やりすぎです。店の仕入れは3400円よりも安いはずですから何倍の値付けにしているのか。絶対価格が安くCPが良いのが特徴であるシチリアワインに、1万円を超す値付けをしてしまってどうするのか。ワインリストをちょっと見ただけですが、2000年代のイケムも高すぎ。あの価格は私が67年のイケムをオークションで落とした数字とさほど変わりません。
最近はめっきりホテルのレストランへ行く機会が減りました。ニューオータニの「トゥール ダルジャン」、オークラの「ラ ベル エポック」、帝国の「セゾン」など友里にとってどれも魅力を感じる店ではありません。レストランは、料理がぴか一とか、ワインが安い、とかウリがなければならないと思うのですが、ホテルの画一的なサービスくらいしかないのですから行く気がしません。
今は数千円でワイン持込を許す一流ホテルも出てきております。ホテルの店では比較的流行っている「鉄板焼き」でも持ち込むことができるくらいですから、あまり集客が順調でない店ならば、よりワインの値付けを安くする配慮が必要ではないか。
肝心の星付シェフの料理は、伝統と現代と銘打った2種のコース。オータニは来日するシェフに必ずこの2つのコースを考えさせるのですが、地元でも伝統的、現代的な料理を2種造っているのでしょうか。普通はシェフのポリシーで、どちらかに絞った料理を造るものだと思うのですけど。普段造っていないスタイルの料理を考えさせても無理が出るというものです。
連れと別々のコースを頼み両方を味見しましたが、悪くはないまでも記憶に残る皿なし。一番安いであろうワインを頼んでも2万1000円のコース料理で一人当たり3万円を軽く突破してしまった現実。支払額だけが鮮烈に記憶に残った次第です。