3/17のブログでマスヒロさんが宣伝していると触れました日本のワイン「ボー・ペイサージュ」。3種ほど譲っていただく機会がありまして、とりあえず2本飲んでみました。
飲んだのは「la montagne」の2003年と2005年。ネット販売価格(蔵出し価格)は5000円と4000円だそうで、かなりの高額ワインです。
この2つはメルロー100%というモノセパージュワイン。まず初日は2003年(5000円)を抜栓しました。コルクは46ミリと長くはなく熟成を狙っているワインではないと判断。片面がひび割れしており弾力などの感触からもそう質の良いものではないようです。
一口含んでかなりの熟成感というかピークを過ぎていると判断。果実味はないのに後味に変わった甘みが残ります。
枯れ方はAOCボルドーの90年代のオフヴィンテージといったところでしょうか。抜栓して1時間経ちましたら完全にヘタりました。
そして昨晩は2005年(4000円)。ネットのブログでは麻布十番のイタリアン「ラ・ブラーチェ」のソムリエがベストワインと言っていた代物です。
よく言えばピュア、はっきり書けばまったく「複雑味」がない甘いシンプルテイスト。ブラインドで飲んだら、ロワールなどのビオワインと間違えそうです。味は甘くて濃いんですが、深みがない。酸化防止剤を入れているようですが、完全な「早飲みワイン」であります。
日本で秀逸なワインと評判のようですが、これは日本という「井戸」の中で傑出していると言うことだけの意味でしょうか。
生産本数が少ないようですからコストがかかるのは仕方ないですが、蔵出し価格が4000円、5000円というのはフランス物と比べたら破格ではないでしょうか。
間にネゴシアンやインポーターなど流通業者が入りますからフランスのシャトーやドメーヌの蔵出し価格は公開されていませんが、1級ボルドーや特級畑のブルゴーニュでも高くて数千円と漏れ聞いております。これはフランスに限ったことではなく、プレミアムついて数万円になったレア焼酎も蔵出し価格は他の焼酎と変わらないことから日本でも一般的なシステムのはずです。
人件費、土地代などの固定費を考えたら日本でワインを造るのはコストの面では圧倒的に不利。季候、風土、テロワールを考えても伝統ある欧州に比べて無理があると考えるのですが、それでもコスト増な日本ワインを造り続ける意義が私にはよく理解できません。
「餅は餅屋に任せろ」と言ったらまた怒られるでしょうか。
中国で日本酒が評判だと聞いたことがあります。批判は受けるかもしれませんが、素晴らしい日本酒を造って世界に認めて貰う、世界に輸出しまくる、といった努力をすることの方が先決であると私は考えます。
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