正月早々から飲食業界が盛り上がっております。もう皆さんご存じの
バードカフェのお節問題
グルーポン(あの「かどわき」も手を出してしまったと聞きました割引サイト)経由で購入したバードカフェのお節(2万1000円が1万500円に割引)が
人数分(4人分)なくスカスカで腐敗?していた
という事件であります。
http://matsea.blog136.fc2.com/blog-entry-348.html
このお節を販売した外食文化研究所(主に横浜で何軒も展開している外食産業)に一番の問題があり、社長(既に辞任?)に批判が集中するのは当たり前ですが、他にもっと根本的な問題があるのではないか。
私はこのお節を扱った
のコンセプト自体に無理があるのではないかと考えるのです。
グルーポンは、レストランでの食事に限らず色々な商品をまとめ売りすることにより
自称通常価格の半値以下
で提供する会社であります。
レストランを例えに出しますと、グルーポンの宣伝文句をそのまま信じるならば、
1万円のコースが5000円以下で食べられる
と言うことになります。
純粋無垢な人でしたら、1万円のコースの原価は3000円(通常原価は3割と言われております)なので
2000円の粗利があるからまとめ売りすればやっていける
と考えるでしょう。私もそれに近い推測をしていたのですが、実はグルーポン自体の手数料として通常50%(30%くらいに値引く場合もあるとか)も取られると聞き、このビジネスモデルは購入者にとって
まったく得にならない
と考えるようになったのです。上記の例えで考えますと、グルーポンへの手数料を除いた店の手取りは
2500円から3500円
しかないではありませんか。いくらまとめ売り(100枚以上)したからといって、レストランは箱商売ですから一日の客数には限りがあります。大量生産のメリットは享受できないのです。
つまりまともな「1万円コース」をグルーポン経由で半値以下で客に提供するのは
物理的にも経理的にも無理
であることがわかるというものです。
もし可能だとしたら、3500円でやっていけるコース料理を1万円で提供していたと常連が知ることになり、怒り狂ってもう店には来なくなるのは必至。
ではどんなコース料理を用意するかというと、あくまで友里の推測でありますが、グルーポン用に特別なコースを考え出すということ。
つまり割引した価格(半値以下この例えで言えば5000円)で成り立つ料理内容(原価が3割として1500円前後でしょうか)を創造し、それを自称通常価格として
1万円
として5000円で募集してしまうわけです。これならばグルーポンに最高50%の手数料を取られたとしても、なんとかペイ出来るギリギリの線。
グルーポンに手を出す店は集客に苦労している店だけなのは、いくら純粋無垢な方でもおわかりでしょう。
カンテサンスや京味など連日満席で黙っていても席が埋まる店が、
わざわざ半額に値引く
という戦略で売り上げを落とすはずがないからであります。
つまり客が来ないから店の宣伝をしたい、また客を増やして
固定費を少しでも吸収したい
と考える不盛況な店だけが、悪魔の囁きとも言えるグルーポンの誘いに乗ってしまうのであります。
しかし私はレストラン関係者に訴えたい。
グルーポンに手を出すことは、自ら客の不入りを開示することになる
長期にわたって割引コースだけを提供することはできません。一時的な集客に目が眩んでグルーポンに手を出すと、
なんだ、客が入っていないのか
と世間は判断してしまいます。居たかどうかわかりませんが
今までの客が離れてしまう
まともな新客が寄りつかなくなる
というデメリットをもっと考えるべきではないでしょうか。