なんとかの1つ覚えではないですが、今年も楽しんだのが
白トリュフとバローロ古酒のマリアージュ
です。今時「マリアージュ」なんて死語を使う気恥ずかしさは置いておいて、本場のアルバと帰国後の東京で何回か楽しみました。
バローロの古酒に目覚めたのは90年代後半だったでしょうか。当時は有名で紹介制だったイタリアワインバー(結構高い)に定期的に通っていると、11月に白トリュフのリゾットと共にバローロ古酒がでてくるのです。初めて飲んだバローロ古酒は
‘58 モンフォルティーノ
バローロのトップ造り手であるジャコモ・コンテルノのプレステージ・バローロであります。ネッビオーロ(バローロの葡萄品種)は熟成と共に色が薄くなりやすいのですが、その古酒は一見ロゼみたいでありました。
かなり色が落ちているので、ダメになっているのではないかと恐る恐る口に含もうとして私は驚いたのです。何とも言えない官能的な香りと溢れるばかりの果実味にノックダウン。
それ以降バローロ古酒を探しまくるようになりました。
昨年のアルバ訪問では、代替わりしているとは言えそのジャコモ・コンテルノのカンティーナを訪問することができ非常に嬉しかった。
内外のオークションなどでモンフォルティーノ以外にも、そしてジャコモ・コンテルノ以外の造り手も含めて60年前後を中心に集めたのですが、毎年白トリュフ会をやっていたため在庫がほとんど無くなっておりました。
昨年のアルバ訪問で買いだめしようと街中にあるワインショップをいくつか回ったのですが、古酒どころか古めのバローロも見当たらず、あるのは2000年前後の物ばかり。リストランテでもほとんど古酒らしき物は見当たらなかったのです。
雨続きで広場の屋台などが撤去されてしまった今回訪問のアルバ白トリュフ祭り。時間が余ったので昨年も訪問したワインショップへ入り、店主に本当にバローロ古酒がないか再度聞いてみたのです。
その日は虫の居所が良かったのか、彼が指さしたのは地下へ続く階段。なんと地下があるではないですか。急な階段を降りて部屋の奥へ連れて行かれると、その一角にはあのモンフォルティーノが
山積み状態(ちょっと大袈裟)
しかも古酒のヴィンテージが半端ではないのです。
‘39から’61
まで並んでいるではないですか。お目当ての‘58含め7ヴィンテージがありました。(モンフォルティーノは毎年出していません)
価格は650ユーロから800ユーロくらい。その場で買っておけば良かったのですが、一応ホテルに戻ってネットで市場価格を確認しようとせこく考え、主人には
明日買いに来る
と告げて店をでたのです。記憶から相場より安い(というかネットでもほとんど存在していない)と感じたのですが、一晩冷静になって考えようと思ったのです。
結局購買意欲を抑えることは出来ず、翌日訪問したのは言うまでもありません。
イソイソと地下へ降りていってまずは一番のお目当てだった‘58のモンフォルティーノを買おうとしたら無いではありませんか。昨日と違って主人ではなくこの日の対応者は共同経営者。彼曰く
ないものはない
昨日のうちに買っておけば良かったと後悔したのです。やけになった訳ではありませんが、自分のヴィンテージを3本、そのほかのヴィンテージを‘39含め4本も衝動買いしてしまったのです。
ついでにリナルディなど(これらはモンフォルティーノに比べたらかなり安い)ある程度有名な造り手の58年がありましたのでそれらも3本購入してしまった。
総計10本ですから当然ハンドキャリーで持ち帰ることは出来ません。輸送代として要求されるまま180ユーロを加算してカードチェック(掲示板の無智さん、結構高額になりましたがピンコードは必要なかったですよ)したのです。
高揚していたからか、後で大事なことを確認するのを忘れていたことに帰国後気がつきました。輸送は
エアなのか船なのか その際はリーファーなのか
赤道越えを常温コンテナで輸送されたら古酒はたまりません。でももう手遅れ。
しかも各ワインの価格を打ったレシート(小さな紙切れ)はありますが、公式な領収書なり輸送控えも貰っていなかった。自宅の住所を店にあったメモに書いただけだったのです。
うーん、本当に送ってくるのだろうか。
カードの決済を確認したら、しっかり次期引き落としにカウントされていました。
輸送方法は手遅れですが、数ヶ月経ってもワインが届かなかったら、カード会社経由で問い合わせすることになるでしょう。