グルメバトル 出版裏話 2 高額和食がない?

いよいよ本日は「グルメバトル」の配本日となりました。都内の大手書店では、おそらく明日18日くらいから店先に並ぶと思います。
今回取り上げた72店、前著、前々著の「シェフ板」と大きく陣容が変わりました。カテゴリーとしては、フレンチ、イタリアン、中華、和食、すし、天麩羅、そば、うなぎ、洋食・トンカツ、スパニッシュ、居酒屋、焼き鳥、おでんの13とし、それぞれ3?8店を選んでおります。居酒屋、焼き鳥、おでんなどは、友里本としては初めての試みでした。
店選定は編集者、JC、友里の3名で行ったのですが、条件は23区内の店。港区や中央区に偏らず、新しい店だけでなく老舗も取り上げる、そしてジャンルは満遍なくというものです。これはグラフ社としては、はじめての出版のJCに多分に配慮した結果だと私は思います。どうせ共著なら、今までの友里本にないものを示したい、そしてJCの得意(ただ店をよく知っているというだけですけど)なジャンルを増やして新鮮味を出そうとした思惑だったようです。
よって店選定はJCの意見を中心にすすめられました。私が行ったことがない店がかなり入ってしまい、短い期間での訪問の連続で時間的、資金的負担はそれは大変なものがありました。
よって友里単独本としてはありえない店が取り上げられております。「キャンティ」、「プティ ポワン」、「桃花林」など友里に言わせていただければ、シーラカンス、もう世の食通やグルメが相手にしていない店が入っています。いずれもJ.C.オカザワが「素晴らしい店」と高評価している店。私がその言葉を聞いてぶったまげたのは言うまでもありません。なんと言うセンスなのかと思ったのですが、そこは「人それぞれの嗜好」ですから仕方ありません。
また、和食のジャンルでは「龍吟」以外の高額和食が入っていません。この理由も私には驚嘆モノでした。
JC曰く、「居酒屋でない高額和食は『鮨屋』で代用できるので行く必要がない」。
なんと、和食は「刺身」がすべてということです。確かによほどの高級料亭に行かなければ、和食屋は鮨屋の刺身の質に負けるかもしれません。でも、和食は「造り」だけではないんです。お椀、焼き物、煮物、炊き合わせなどの総合体。鮨屋ででる、煮物、焼き物、お椀、たき合わせは、和食の料理人と比べたらはるかにレベルが落ちるのは周知の事実。そのような修業をしていないのですから当たり前です。
以前、JCから「お椀が和食の『華』なんてちゃんちゃらおかしい」との発言を聞いた意味がわかりました。出汁をまったく重要視していないんですね。
和食は「刺身」だけなのか、出汁は意味がないのか。その辺の両者の考え方の違いを考慮に入れて「グルメバトル」を読んでいただければ他のジャンルの店の批評もより面白く比較できると思います。
同じく高額フレンチも洋食で代用できるとの考えがあるのでしょうか。グランメゾンは「ロオジエ」と「ベージュ」しかありません。
よって、この「グルメバトル」には、「京味」、「と村」、「幸村」、「かどわき」、「ガニエール」、「ラムゼイ」など有名店、人気店がないのです。
「キャンティ」や「プティ ポワン」よりこれらの店へ行ってみたいという人の方がはるかに多いと私は思うのですけど・・・