オープンテーブルは便利だった

正確には「OpenTable」と書くようですが、みなさま、このレストラン予約システムを利用したことがありますか。
私は過去に1回だけあるフレンチの予約で使ったことがありました。過食のオコチャマ・来栖けい氏経営の「エキュレ」でも取り入れているオンライン予約システム。このシステムが便利なのは、店が休みだろうが夜中だろうが、時間外でも即座に予約の可否がわかることであります。
客サイドとしては便利でデメリットはないと思うのですが、店としては予約状況が他人(同業他店にも)にわかってしまうところが問題点でありましょう。

利用した人はおわかりだと思いますが、予約したい日時と人数を入れてクリックすると、即座に予約の可否がわかるのです。
たとえその指定時刻が一杯でも、前後で空いている時刻が表示されます。つまりその日、その時刻、どのくらい予約がはいっているかが、ライバル店にはやりようによってわかってしまうわけです。利用者の個人データを入れる前に空き状況がわかってしまうのが、そのシステムの難点だと私は考えます。

今回ワシントンで友里は2店、このシステムを使って予約して店訪問をしました。店情報を得るためHPを見たらこのOpenTableがあったのです。慣れない英語を使って電話やコンシェルジュ相手に交渉するよりいたって簡単でありました。

予約を確定させるには、名前と連絡先の電話番号やメールアドレスを入れるだけ。嘘の電話番号と捨てアドレスつかって偽名でも予約が出来る可能性もあります。
というのは、携帯の電話番号を入力しようとしたら、10桁以内と注意が出て日本の国番号を入れることが出来なかった。よって10桁だけ入力したのですが、実際には繋がらない電話番号でも予約が出来たのです。
日本のOpenTableのシステムでは、このような問題点が解決されているかわかりませんが、気に入らなかった店や同業者がライバルの店に

連絡なしのドタキャン目的

で不正予約を入れることが可能だとしたら大きな問題となるでしょう。
そこで私は以前、流行っていた店やミシュランに掲載された店の主人たちが嘆いていたことを思い出したのです。

僻んだ同業者らしき人のドタキャンが増えて迷惑している

自分の店が閑古鳥ばかりなので、悔し紛れに繁盛店を困らせようとする人が存在するということでしょうか。
それでもこのOpenTableを取り入れるのはどのような店なのか。数ヶ月先まで予約が入らない(わざと入れない偽装繁盛店も含む)人気店がこのシステムを導入するメリットはないでしょう。百害あっても一利なしであります。要は

猫の手ではなく、OpenTableの手を借りてでも客をかき集めたい店

が主流ではないかと。
少なくとも数ヶ月、半年先まで予約が入れられない

鮨 三谷やくろぎ

などが導入するとは思えません。またリピーター優先で一見に厳しい

かわむらやカンテサンス、アロマフレスカ

も導入しないでしょう。
滅多にないですが、知人の要請や接待相手のためにそのような予約困難な店を予約するため、朝の9時30分から電話をかけ続ける己の姿を顧みて

よやくやるよ

と感心する友里。日本人はなぜこんなに同じような行動をとるのか、自分を棚に上げて不思議に思うのであります。
世にはネットで公平に予約を受け付けるという変わった店も存在します。NYにある2つ星レストランでありまして、私はこの存在を知ってチャレンジしようと思ったのですが、システム上の問題でこの2年断念してきました。

momofuku ko

というカウンターレストラン。

http://www.momofuku.com/restaurants/ko/

わずかな席をネット予約だけで受けている店であります。ただしその予約受付日が確か1週間前。でも、もし1週間前になって予約に失敗したら、代替の店の予約をとることが出来るのか。
とりあえず保険をかけて他店を予約しておく方法もありますが、どの店でもキャンセルを嫌う融通性のない性格でありまして、そのようなチャレンジができないのであります。

読者の方の中で、この店へ行った方がいらっしゃったら情報をいただければ幸いであります。