原発事故に関して目新しい報道がすっかり影を潜めております。事態収拾にむけて工程表通り着々と進んでいるようにも見えますが本当でしょうか。
東電は1号機原子炉建屋内の放射性物質の濃度を下げるため換気システムを設置するとぶち上げてきました。確かに汚染された空気をどんどん吸い取れば濃度は下がるはずですが、それは
大元から放射性物質の排出が止まっているという前提
が必要ではないか。形ばかり上辺の空気を吸い取っても、むき出しの燃料棒からバンバン排出し続けている可能性が大ですから、大きな効果があるとは思えません。
新聞の報道(読売2面)ではこの換気システムさえ設置できれば直ぐにでも建屋内で
有人作業
ができるかのような見出しになっていますが本当でしょうか。
頼りないロボットをちょこっと建屋内に入れて放射線レベルを測定しただけ。私もよくわからないくらいですから、建屋内の詳細な通路や機器配置など記者が理解しているはずがありません。
放射能は直進性があると言われており、よって建屋内の通路は迷路のように折れ曲がって配置されているはずです。放射能防御のため壁材などには「鉛」の使用も多いのではないか。そんな複雑な迷路の奥へ果たしてロボットを送り込むことが出来るのでしょうか。制御する電波が奥まで届くとはどうしても思えないのです。
換気したからといって建屋の深部まで放射性物質の濃度が下がったと、どうやって確認出来るのか。いやこの換気システムは「放射性物質」の除去を目的としているようですが、空中の粉末(放射性物質)ではなく肝心の「放射線量」の低減を換気で出来るのでしょうか。粉末ではなく原子炉中心には大元である
大量の放射能の塊(燃料棒)
がしっかり陣取っているわけです。建て屋の入り口付近なら可能かもしれませんが、建屋深部での有人作業は当分無理だと私は考えるのです。
ではなぜ東電や大マスコミはこのような発表や報道をするのか。効果があるかどうかは関係なく、目新しい対策を大きくぶち上げることによって、対策の遅れに対する
世間の批判をとにかく先送りしたい
だけだとへそ曲がりの友里は判断しております。
さて昨日のブログで書きました生食用牛肉。実際はまったく流通していなかったとの報道がありました。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110503-OYT1T00771.htm
飲食店各店の判断と処理で、加熱用をそのままユッケやタルタルに使用しているのが飲食店業界の慣例だったようです。生食用として処理場で管理されて出荷されたのは
馬肉だけ
だったとは意外でありました。焼肉屋を訪問する度に食べていたユッケやステーキ屋で食べていたタルタルは
加熱用牛肉
であった可能性が高いわけです。
気は弱いですが耐菌力は強かったのか友里、いままで直後にお腹の具合が一時的に緩くなることは何回もありましたが、すぐ復活して重篤な状態になったことはなかった。
しかしこうのような報道が溢れた今後、果たして
店で生肉を頼む客
がいるのでしょうか。少なくとも75日が経過するまで焼肉店やステーキハウスは生肉料理の売り上げを諦めた方が良いのかもしれません。
ただし、今朝のTVでどこかのドクターが言っておりましたが、O?157などの菌は
肉の表面にしかつかない
とか。つまりトリミング(肉の塊の表面を包丁などで削り取る)さえすれば、中身がいくら生でも大丈夫だとのことでありました。しかし店や調理人によって
削り取る深さや範囲が異なる
削った包丁に菌がつく可能性がある
など見えない場所で顔の見えない調理人の作業は心配であります。子供や老齢の方など体力のない人に生肉を食べさせるのはもってのほかでありますが、大人もしばらくは控えた方が無難かもしれません。
ある意味日本より規制が厳しい欧米でありますが、生肉に巡り会ったことは1回や2回ではありません。
欧米の生肉規制はどうなっているのか、非常に興味があるところであります。