どこまでが宣伝ページなのかわからなくなった、東京カレンダー

久々に「東京カレンダー 2月号」を読みました。毎月買っているのですが、造りが雑になってきているように感じてここ半年ほど目を通していませんでしたが、明日からの「今年のワースト&ベスト」の前の本日のネタの為(はっきり言うとネタ不足)に目を通したのです。

最近オープンしたフレンチや中国料理店などの紹介記事(これは限りなく宣伝ページに近いぎりぎりの線)の後、58ページ目からはやくも「SATIS」とのタイアップ店紹介ページがでてきました。その次はなんと「マスターカード」とのタイアップ店紹介です。本のタイトルを飛び越えてフランス、イタリア、スペインの店まで遠征しています。
続く「バー紹介」のあとの2店、「カフェマルシェ広尾」、「Hirosaka」の2ページは突然ページ構成が変わります。店のジャンルもそれまでのものと急変。私が見る限り「PR」との注釈は誌面で確認できませんが、これはおそらく「宣伝ページ」でありましょう。

そして京都の「ダイニング系」の店紹介のあと、「ケンゾーエステイト」というワインをすすめる3つ星和食「かんだ」の神田裕行氏が登場します。何の脈絡もない突然のワイン紹介。次の2ページにはそのワインの価格を提示しての購入方法までありますから、完全に宣伝ページであります。
この日本のワイン、まったく聞いたことがないのですが、3本で2万円とかなりの高額です。「ケンゾーエステイト」は「アクセスパブリッシング」以外に神田氏にも宣伝料を支払っているのでしょうか。

この「東カレ」、ワインや食材、トイレとレストランを巧みに融合させて一見PRに見せず「店紹介記事」のように仕立てるのが得意技なのですが、最近はかなり露骨になってきました。といいますか、丁寧に誌面を仕上げる余裕がなくなってきたのでしょうか。?

格付けなしのボルドーワインの紹介(宣伝?)ページのあと、なぜか「リンカーン ナビゲーター」という車、「書斉館」という万年筆店、「Brift H」というシューケア店がでてきます。ジェットコースターのように、次から次へと違ったジャンルが紹介されるページ構成。読者にとって読みにくいだけではなく、宣伝している店への効果もこんな誌面造りで効果を上げられるのでしょうか。

続いて都内のホテルバンケットの紹介にかなりのページが割かれています。驚いたというか笑っちゃったのは146ページにある神宮前の結婚披露宴場「ル アール 東郷」。総料理長だという神保佳永氏の気取ったポーズの写真が料理写真と共にでているのです。
ホスト然と自己陶酔しているかのように腕を組んで斜に構えたそのポーズを見て、料理に期待する読者がいるとは思えません。あの「タツヤ カワゴエ」と同じ路線を狙っているのでしょうか。

表紙には「エモーショナル ライフ セレクテッド スタイル」とありますが、とにかく節操なく宣伝主をかき集めてきたとしか思えない誌面構成。出版社の真の目的である「宣伝」として果たして効果を上げる内容なのか、多いに疑問であります。
「東京カレンダー」の賞味期限もこのままでは短いかもしれません。