くわ野 

今日はQサイトの最終コラムで簡単におススメした鮨屋についてもう少し詳しく書いてみます。
赤坂の街場寿司屋出身の主人と女将の8席の小さな店です。「久兵衛本店」の隣のビルに独立店を出す決意をした主人の大胆さに私は驚きました。
この店は前もっての一人客の予約を受け付けません。電話で日時を言ってから訪問人数は一人だと告げると急に女将の口調が変わります。そして絞るような声色で「一杯です」。
ではその週の空いている日に行きたいからその曜日を教えてくれと申し込んでも、女将は答えを濁してはっきり返事をしません。これは「松波」と同じく、一人客を歓迎しないのだろうと察してその日はあきらめました。
思ったとおりで、翌日知人に頼んで最初に断られた日を2名で申し込んだらあっさり予約が入ってしまいました。なぜ最初から潔く「一人客御免」を宣言しないのか。雑誌では一切そのようなことは述べておりません。8席のカウンターだけのキャパなので、端数が残ると売上減となるので嫌がっているのか。それとも、オタクやネット評論家は一人客が多いという事で避けているのか。雑誌にあるにこやかな夫婦からは想像できない「一人客撃退」に私は憤慨したのです。小細工せず、一人客がいやならはっきり宣言しろと。
ネガティヴな先入観をもって店を訪れたのですが、ツマミも含めてタネ質は悪くなく、酢飯とタネのバランス取れた握りでありました。ツマミも結構充実していて、鮨タネとかぶらないものも多い。酒飲みでもゆっくりと楽しめるでしょう。海老が?でありましたが、あとは炙った穴子、煮ハマ、ヅケ、コハダと仕事物も含めて満足しました。
やはり鮨は修行店の良し悪しではなく、主人のタネ質への拘りを含めた心意気に左右されるものなのか。やれ有名店やホテルで修行したとお題目唱える鮨店に勝るとも劣らない街場寿司出身の店がでてくるのは、鮨業界の活性化にもつながるでしょう。名前だけではなく、今現在仕入れているタネ質や仕事ぶりが大事だということです。
煮きりを青魚用も入れて2種用意しているのも面白く、タネ数も豊富で一人2万数千円。一人で行けないのが難点ですが、数ヵ月後に再訪してしまいました。
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