おとなの週末 7月号

愛読書というのかネタ探しで毎月読んでいる「おとなの週末」を昨日購入しました。以前も述べましたがこの雑誌、なかなか面白い企画をたててくることがあるので個人的には読むのが楽しみなんです。一応覆面で取材しているところも評価できます。
考え直していただきたいところは、一般読者ではなく料理人や店に接近し過ぎた書き手をまだ重用している点。マスヒロさんは私のネタ素なので読んでいますが、より癒着が激しいと思われる門上さんは関西担当とあってほとんど読みません。今回無理して読んでみましたが、相変わらず「さ々木」や「嵐山吉兆」の主人など料理人との会食自慢が書かれていました。声をかける門上さんもどうかと思いますが、ホイホイ乗ってくる料理人も友里は疑問。最近は名古屋にまで進出してしまった「京都吉兆」ですが、創業者である湯木貞一翁の考えたコンセプトから外れてしまっている、かなり勘違いしてきてしまっているように感じるのは友里だけでしょうか。
さて、今月の特集はマスヒロさんの大好きな「丼もの」特集です。親子丼、かつ丼、天丼などを覆面で編集者や契約ライターが採点、かつ丼担当は4週間で5キロ以上も太ってしまったようで、その仕事ぶりには頭が下がります。体重管理のため食べても昼は野菜もの主体がほとんどの私には無縁の「丼もの」なのですが、写真をみていて無性にかつ丼が食べたくなりました。天婦羅コースの〆で食べる小天丼以外、ここ10年は丼ものを食べた記憶がないので病みつきになったら大変です。
最後にマスヒロさんの「食べ歩き手帳」について。珍しく辛口連発です。犬養裕美子さんとおなじく方向転換したのでしょうか。銀座「吉兆」のお椀、出汁が濃すぎると苦言。下町的な濃い味好きなマスヒロさんでしたが、嗜好も転換したのか。ミッドタウンの「ダノイ」が気軽なランチ価格でない、「方寸MURATA」のビーフシチューは旨みが乏しい、新丸ビルの「萬鳥」のランチ(1200円)は浅草本店までの電車賃が込みになっていると皮肉り、ミッドタウンの「淡悦」の厨房機器は手垢にまみれている、新丸ビルの「大宮MARUNOUCHI」のタンシチューも味の深みに乏しい、など日頃の宣伝スタイルが見えません。スタイルを変えたのか、たまたま彼に媚売らない店を多くとりあげてしまったからなのか、結論は8月号に持ち越しです。
それにしてもミッドタウンの人気店、「ユニオン スクエア」や「ボタニカ」へ予約なしで訪問して「満席」と軽くあしらわれたことを根に持ったのか、「わざわざやってきた客に対する礼儀が乏しい」と批判していました。言葉や対応は丁寧であったそうですからこれ以上何を求めるのか。彼が絶賛する店ではこの「言葉」や「態度」の悪い店があるのをお忘れか。「次郎」へは客がわざわざ頭を下げて1週間前に足を運んで予約しろ、とまで言っているのですから、正にダブルスタンダードです。
「わざわざやってきたこの『山本益博』に対する礼儀が乏しい」というのが本音であると考えます。一般人は皆予約なしの場合、ミッドタウンの人気店では断られていますから、まさに「特別待遇」しなかったことを批判しているとしか思えません。これを根に持って誌面でこんな批判をしたら、彼に屈伏して他の予約客を断って入店させてしまう店がでてくる可能性があります。彼は覆面ではなく顔をさらしての取材ですから、これでは「圧力」いや「ペンの暴力」とも言えるのではないでしょうか。
最近は天下のマスヒロさんを特別扱いしない店が増えてきているのかもしれません。飲食業界にとって大変良いことだと考えます。彼のこの威圧的「特別待遇要求」に屈しないことを真に友里は望みます。