「京味」関係店が増殖中!

今年になって編集者との情報交換で知った六本木の「小いわ」。私はまったくその存在を知らなかったのですが、巷では高評価でしかもウリの1つが

京味出身

であるとのこと。
そういえばこの2月に花板から独立した「新ばし 星野」(新ばし 笹田の跡地)も出来たばかり。東京で京味関係者の店がどのくらいあるのか興味が出てきて、いくつあるのかと数えてみたのです。

本家の京味、もりかわ、くろぎ、と村、車力門ちゃわんぶ、小いわ、銀座あさみ、新ばし笹田、新ばし星野、井雪

私の知る限り本家を入れて東京に10店もあるではないですか。
「もりかわ」が京味出身ということはこの業界ではタブーであり、また「と村」は最近では京都吉兆修業を全面に出しているようですが、期間は別にしていずれも店にいたのは事実のこと。(「あさみ」は新橋ではなく閉店した天王洲の店だけにいたと聞いております)
食べログ東京和食のベスト10には現段階で

京味(1位)、もりかわ(5位)、くろぎ(7位)

と3店もランクイン。総合評価が4点以上に広げるとこの3店に加えて

と村(4.31)、車力門ちゃわんぶ(4.3)、小いわ(4.16)

と6店になります。
「新ばし 星野」はレビュー数がわずか2件なので評価がはっきりでておりませんが、その他の「銀座あさみ」や「新ばし 笹田」も3点台後半といずれも高評価になっておりました。

京味というブランドが如何に東京では影響力があるのかを弟子筋店が証明しているこの現実。友里は先日、ようやくこの10店を経験することができましたが(中にはここ数年行っていない店もある)、京味出身といえども料理は傾向がまったく異なる店もチラホラ。

たとえば「ちゃわんぶ」は居酒屋色が強く(1万円和食で牛カツがでる)、「小いわ」は創作色強くいずれも事前情報がなかったら、京味関連とはまったく気づかない店であると言えるでしょう。

それでは価格帯も含めて本家に一番近いと感じた「井雪」の評価はどうなっているかと食べログを検索したのですが、ヒットしないのであります。
昨年末に「あら輝」訪問時に、隣にあるこの店の営業を確認しておりますから、

内装工事のためしばらく休業

という実質「閉店」になっているはずがない。あくまで推測ですが、食べログ掲載を拒否しているのではないのかと。ネットを見ますと

ミシュラン掲載を拒否

とありますから、食べログへの掲載ももしかしたら拒否出来たのかもしれません。

東京で高評価店に石を投げたら京味関連に当たる

と言うと大袈裟かもしれませんが、一般客にはそれほど大きな影響力を持っているということでしょう。
私が知る限り、もりかわ、井雪、星野は花板になってからの独立。しかしその他の店主は花板までたどり着かずの独立ではないでしょうか。
また京味は、超ベテラン煮方がお椀ものや煮物を仕切っておりますから、たとえ花板になったとしても

出汁など煮物

についてどのくらいの経験と実力があるのかは未知数。あの京味出身といっても、得手不得手(経験が少ない)の料理がある可能性があるということを一般客は理解しなければならないでしょう。
とりあえず修業店の看板でオープン直後から注目されるというアドヴァンテージはありますが、その後の勉強次第で

埋没の危機

もあるということであります。
最近は「恵比寿 くろいわ」のように、本場京都の店で修業した人が東京へ殴り込んでくる時代になりつつあります。(古くは「幸村」がありました)
銀座でやっていたからか、その内容がどんなものでも

大阪では大反響

となった鮨屋(ほしな)の例もあります。
その逆で、本場京都での修業人が東京へどんどん進出してきたら、東京だけの修業人の店は厳しくなるのではないかと友里は考えるのであります。

なぜか岐阜だけしか修業していない料理人の店(晴山)が人気を博している現実もありますから、

東京の1万円和食はこれから激戦

となるのではないかとの推測で、本日のブログを〆させていただきます。