ここまで開けっぴろげに「タダ飯」の誘いをする店があるとは驚きました。以前、私が無償のコンサル(後に紹興酒などを会社へ送っていただきましたが)をしたとブログでも書きました銀座の広東料理店「飛雁閣」。
私のアドヴァイスはほとんど受けつけなかったのですが、今回の「タダ飯」提供を相談されたらこんなヘタを打つことはなかったはず。
5月下旬に送られてきた「限定取材依頼」とのタイトルのメールを開けてみて、私は椅子から転げ落ちそうになったのです。
「プレス・ブロガー限定取材依頼」とのタイトルのメール、内要はプレスが1社2名まで先着20社、ブロガーは2?5名のグループで先着20組に、1万5750円相当の「フカヒレ姿煮体感フェア」を無償で提供するというのです。料理だけではなく飲み物も勿論無料。プレスへの条件はないようですが、ブロガーは「タダ飯」の1週間以内に自分のブログで取り上げることを要請しております。?
有名ブロガーも最近は「タダ飯」と交換にヨイショブログを書いていると聞きましたが、ここまであからさまに募集するとは驚き。しかも一番のヘタ打ちは、この同報メールをBCCで送付しなかったこと。つまり、誰へこの「タダ飯お誘いメール」を送ったか、アドレスが出てしまっているんですね。
ドメインをみると、TV局や出版社の人がかなりいるようです。
私が取り上げたことのある飲食業界関係者としては、園山真希絵氏や俄グルメの「わぐりたかし」氏と思えるアドレスも確認出来ますし、伊藤章良氏とはオールアバウトで仲の悪かったと漏れ聞く、嶋啓介氏のアドレスらしきものもありました。
コンサルの依頼を受けましたから「飛雁閣」とメールのやり取りがあり、当然友里征耶のアドレスもこのメールに載っております。
つまり、このリストに載っていると思われる嶋さん、園山さん、わぐりさんなどが、必ずしも「タダ飯接待」を受けているとは限りませんが、コンサルを受けていないのに一介の中国料理店へ自分のアドレスを教えるのですから、彼らの脇は甘いと言えるでしょう。
最近の店評価、もとい、煽り宣伝や過大評価による客釣りは、ヨイショライターやヨイショ料理評論家ではなく、有名ブロガーに頼る店が多くなったと聞きました。
私には過大評価店としか思えなかった広尾の「アニュ」も、このブロガー宣伝で一気にブレイクしたと聞いております。?
有名なブロガーになると「タダ飯」の機会が増えるようですが、換言すると、今までその恩恵を受けていたヨイショライターやヨイショ料理評論家が「タダ飯」にあやかる機会が減ったのではないか。
露出が減るだけではなく、「タダ飯」の機会も激減したとするならば、彼らにとって受難の時代となったと言えるでしょう。
私はあらためてヨイショ料理評論家、ヨイショライター、そしてヨイショブロガーへ忠告したい。
日本は表現の自由がありますから、「店ヨイショ」や「店宣伝」を垂れ流すのは自由。
ただし、店から受けた便宜供与、「タダ飯」なり「付け届け」は、読者にすべて開示する「矜持」をもっていただきたい、と私は考えます。