発売中の「ゲーテ」(幻冬舎)を読みましたか。
問題の企画は主に「ミシュラン13の疑惑」と「宇田川悟×見城徹 対談」の2つの構成で成り立っております。後者はミシュラン批判よりも自称料理評論家・山本益博氏の糾弾に誌面の多くを費やしており、「評論家生命は絶たれた」とその仮面を剥ぎ実態をあからさまに暴露しています。
マッキー牧本氏の緩いミシュラン批判記事もありますが、すでに何人もの人から言いつくされた内容でわざわざ読むものではないでしょう。
だいたい、マスヒロさんの腰巾着みたいな立場だったマッキー氏がなぜアンチミシュラン、アンチ山本益博の幻冬舎の月刊誌に登場しているのか不思議であります。
さて本日は「ミシュラン13の疑惑」についていくつか考えてみたいと思います。
「星取りに私利私欲の絡んだ黒幕が数人存在する」
ミシュランに癒着していると先月号で名指しした山本益博氏の他に、もう一人の黒幕を炙りだしております。
在仏40年の女性ジャーナリストK・Mとイニシャル表記ですが、ちょっとこの業界に詳しい方ならすぐピンと来るでしょう。
私は「増井和子さん」のことを言っているとすぐわかりました。結構クリーンな人の印象でしたが、「ムーリス」のシェフ、ヤニック・アレノの特集番組ではミシュランガイド総責任者のナレ氏に直撃インタビューしていたことを思い出し、膝ポンでした。
しかも彼女、ミシュラン発売直前に帰国、東京でナレ氏はじめミシュラン関係者と和食屋などで会食していたそうですから、状況証拠は充分であります。
「掲載を拒否した店が多数ある」
以前ブログでは「かどわき」、「京味」、「銀座 小笹寿し」が掲載拒否したと書きましたが、「ゲーテ」は更に西麻布の「すし匠 まさ」を挙げております。
昨年6月ころに取材依頼の電話があったそうで、「鮨は季節によってタネが変わるので、時期を変えて3回、何人かの方が食べに来てくれるなら構わない」と返答したらそれ以来音沙汰がなくなったというのです。
どうやらミシュランは西麻布近辺の鮨屋に片っぱしから掲載許可を取っていたようです。「真」、「ゆう田」、「拓」とそれほど傑出しているとは思えない店を3店掲載しているのが不思議だったのですが、3回も店へ行く暇と予算がなかったのでしょうか。複数回行って調査しているというのは眉唾です。
「2009年版の依頼が始まっている」
今年に入ってある割烹へはすでに掲載依頼がきたとあります。私のところへもそのような情報が入っていましたから、これは間違いないでしょう。
しかし初版が出てまだ数ヶ月で、もう星付けを決めているとしたら、来年度版の中身もたいしたものにならないのは誰でもわかりますね。
その他、調査時間がなかったからか広報資料の説明文と広報用写真をそのまま掲載された、といった話もありました。予想通りまったく片手間でいい加減な造りだったことがわかりますが、山本益博さんやK・M女史はミシュランからどのような待遇を受けているのか、興味があります。
私が来年度版のミシュランに望むのはただ一つ。まともな評価は調査員のレベルが低いので無いものねだりで無理。要は「掲載拒否」された店をすべてディスクローズすることを要求したい。
アンケート調査でも回収率というのか、無回答の数を開陳してその公平性を示しているはず。
掲載許諾を得るスタイルをとる限り、「掲載拒否」があったことを素直に認め、それを公表することが、最低限の日本人への礼儀であると考えます。