読者の方からのメールを見て驚きました。この時期に(といっても前から決まっていたのでしょうけど)、京都吉兆がウインザーホテル洞爺に出店するというのです。昨年名古屋へ出たばっかりなのに、翌年に北海道とは私には無謀に思える営業展開であります。
今年初めに同じ京都の有名店「美山荘」が撤退したホテルへの進出ですから普通は躊躇するはず。「美山荘」の撤退の原因を洗い出し、改善できると判断したのでしょうか。
摘み草をウリにした料理店が北海道の地を選んだことにも疑問でしたが、吉兆も大丈夫なのか。タケノコ、松茸、グジ、鱧、鯛、松葉蟹、京野菜など京料理の主役を張る食材は「新鮮さ」が命。東京の店が絶対かなわないのは、朝摘み、朝漁(間人蟹などは正確には前の晩でしょうか)の食材をその日のうちに提供するというのが大きな利点であります。でも北海道では難しいでしょう。
では北海道の食材を使うのか。北海道には北海道のすばらしい食材があると思いますが、これを使いこなす経験を果たして積んできたのでしょうか。
あまりの急膨張からか、名古屋店のクオリティの低さに驚いた友里でしたが、北海道の店の人材は大丈夫なのか心配です。
昔ウインザーへ行ったときタクシーの運転手から「このホテルは東京の人より関西の人が良く来る」と教えてもらいました。
今でも関西の方が多いとしたら、北海道まで来て京都吉兆の料理が食べたいものなのか。サミット主催決定後、外人客が増えたとのことで外人観光客をターゲットにしているならば、吉兆ブランドもある程度受けると思いますが、そう何年もサミット効果が続くとは思えません。
徳岡家には、湯木貞一翁の「店と屏風は広げすぎたら倒れる」の言葉が伝わっていないのかもしれません。
もう一軒、勘違い進出の店がありました。なんと「久兵衛」も出店とか。
http://web.spaz.jp/hotnews/879
4/25からの営業となっていますが、今現在のホテルのHPでは、寿司屋は「わく善」だけであります。
http://www.windsor-hotels.co.jp/toya/contents2/res_index.aspx
北海道の寿司屋が出店しているのに、銀座からもう一軒寿司屋を引っ張ってきたのか。ホテルのこの営業方針、私にはまったく理解できません。