第983回 やはり鮨は経験よりタネ質だ、鮨 はま田

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  • 2006年5月17日(水)
おいおい、銀座の鮨屋「青木」に腕の良い2番手が居ただろうか。
昨年はじめ、「次郎 よこはま店」が銀座に移転した後を、
居抜きで借りて独立した主人が、
青木出身の2番手だった浜田氏と知った時の私の感想です。
修行店の「青木」では、
確か2番手は「お決まり」やテーブル席の客相手が専門で、
「お任せ」などの上客には対応していなかったはず。
経験の少なさから雑誌で持て囃すほどの鮨屋に
一朝一夕でなれるものなのだろうか。
しかし、マスコミでかなり宣伝してもらったお陰か、
営業は順調なようです。

今はマスコミで言う「名店」の筆頭に位置する「水谷」も、
この地では一回転営業が基本でした。
その姿勢は銀座へでても変わっていません。
しかし、この「鮨 はま田」は
関内から徒歩10分とかなり立地が悪いのに、
「しみづ」と同じく客を素早く回転したがる
強気の営業でありました。
最初電話したとき、18時半の予約では受け入れられません。
2回転目の客が19時半に控えているからだそうで、
17時台に入店するよう要請されました。
地元勤めでない客が18時前に行けると考えているのか。
かなり勘違いしていると憤慨しましたが、
無理して17時過ぎに訪問したのです。

ツマミは貝類、白身、色物と質は最上ではありませんが、まずまず。
鮪はマスコミが最近やたらと取り上げている
フジタ水産からの仕入のようですが、
傑出さはないまでもこれまた悪くはない。
コハダなど〆物もそこそこでしたが、
一人当たり1万6千円前後と
この立地では最高額鮨屋の支払いとなりました。
この支払いでオタク系の一人客や
女性だけのグループが目立つ変わった客層。
19時半予約の次の客が店先で立って待っているのも忙しなく、
落着かない鮨屋訪問でありました。

今年になって再訪しましたが、
夜に無理ムリ客をいれない方針に変わったようです。
無駄かと思いましたが、
19時と中途半端な時刻を希望したらあっさり受け入れられたのです。
客からの苦情が出たのか、
とにかく勘違いを改め修正していたのには感心しました。


<結論>
修行歴があろうが無かろうが、
タネさえまともなものを仕入れれば、ある程度の鮨屋ができるのは、
「さわ田」、「なかむら」に続いて「はま田」でも証明されました。
しかし、客の回転させすぎです。
まだ若い夫婦、そんなに稼ぎ急いでどうしたいのか。まだ先は長い。
地道に実績を積んで常連を開拓していかなければならないのに、
ミーハーな女性やオタク相手で
目先の儲けに目がくらんでいるとしか思えません。

<今年の結論>
場所が場所なだけに行きにくいが、
夜が1回転ならゆっくり訪ねてゆっくり楽しめる。
これからも慢心せず、
客のことを考えて営業していただきたいと考えます。