第977回 揚げすぎで旨みがとんでいる、天麩羅 なかがわ 1
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- 2006年5月9日(火)
中川氏の悲劇でしょうか。
いまさら師匠の揚げ方を修正することもできず、
このままの路線で突っ走るしかないようです。
山本益博氏はじめ自称文化人やグルメライター達からのヨイショで、
自分は天才と勘違いした料理人・早乙女氏から独立、
東銀座から徒歩5分の築地に一昨年店を出しました。
昼は千円台の定食や天丼の他、
4725円、6090円、7350円の夜と同じコースも出しています。
定食とコースではまったく内容が異なります。
タネが違うのは当たり前ですが、
箸も異なりコースでは箸置きまででてくるのです。
オロシも別途奥からでてきました。
しかし、どうせコースを頼むならランチ時は避けてください。
定食のタネと違って
下の保冷庫から出してきて質はいくらか高くなるようですが、
鍋は一つですから揚げ油は兼用です。
色々なタネが同時に投入されて油の交換もありませんから、
まったく良質のタネを使う環境ではないのです。
早乙女氏が語っているタネ毎の温度管理など当然ありません。
天丼用の掻き揚げから野菜、海老、アナゴなどが
一緒に鍋に投入されることが考えられますから、
数千円も出してコースを昼に食べる必要はありません。
油は交換しないで注ぎ足すだけ。
よって焦げ過ぎの天麩羅が更に焦げてタネの旨みがなくなります。
実際昼にコースを頼みましたが、
海老はフライかと思えるほど揚げすぎです。尻尾も兜も硬すぎ。
キスも脱水しすぎなのかカサカサ、
旨みを封じ込むどころか逃げ出しております。
しいたけ、オクラ、ナス、メゴチも
小さいものをよく選んだと感心するもので、もちろん焦げすぎです。
掻き揚げは衣が多くもっとひどかった。
唯一、アナゴがまずまずのもの。
そのわけは、この店(「みかわ」も含めてですが)は、
すべてのタネをアナゴと同じように強く揚げる
ワンパターンだからです。
<明日につづく>