第973回 この店を薦めては資質が疑われるよ 浅妻さん、鮨 とよなが 2
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- 2006年5月5日(金)
鮨屋があっただろうか。
少なくとも、料理自体で勝負する実力の店ではありません。
HPで確認すると、メインダイニングは地中海料理で、
4千円からの寿司はありますが、カウンターが出来たのはここ数年。
地中海料理で片手間に寿司を出している店の料理長が、
なんと独立して「鮨屋」を開いたということでしょうか。
怪しい寿司屋と判断し、
確認のため私は前述の方法で店を探り当て訪問したのです。
場所は渋谷駅から徒歩10分、東急電鉄本社のほぼ正面。
椅子のあるカウンターなのに、なぜ靴を脱がせるのか。
しかも玄関先が狭すぎて靴が脱ぎにくい。無意味です。
9席ほどのカウンターに掘り炬燵の個室が1つと
いかにも隠れ家的で、
外観や雰囲気に弱い業界人には受けるでしょう。
主人はかなり若くてホントに経験があるのかどうか。
つけ場に立つ2番手は少なくともほとんど経験がないのでしょう。
おろし金の裏表を間違えて山葵をおろそうとして、
主人から「表裏逆だぞ」と注意された場面を見て、
我々は固まってしまいました。
おろし金の表裏を間違えるようなスタッフをつけ場にいれるほど
レベルの低い寿司屋だとは想定の範囲外。
ツマミと握りをお任せで頼みましたが、
太刀魚をホットプレートのようなもので焼いていたのには唖然。
バーナーで炙った牛を握りだした時は目が点になりました。
自慢は穴子と鮪だと浅妻さんは言っていますが、
穴子もホットプレートで焼いていました。
おいしいはずがありません。
トロもイマイチですが、
赤身を用意していないのは質がバレるのを避けるためか。
鮑も生だし、玉子も駄目。
まったく江戸前鮨ではありません。
お酒を入れて1万5千円前後でしたが、こりゃ駄目だ。
<結論>
浅妻さんは「水谷」を一位にしていますが、
雲泥の差というか比較するのが失礼なくらい駄目な店。
この店が本当にうまい「鮨屋」と感じるなら、
彼女の資質を疑います。
フードライターの看板を今すぐ下ろすべきでしょう。