第972回 この店を薦めては資質が疑われるよ 浅妻さん、鮨 とよなが 1

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  • 2006年5月4日(木)
料理人に取り入って次々本を出してしまう
フードライター・浅妻千映子さん。
「アロマフレスカ」の原田シェフ、「あら輝」の荒木氏、
「モンサンクレール」の辻口氏と、
人気がでて繁盛しそうな料理人の自己顕示欲の強さを利用して、
共著での店宣伝本出版。
パラサイト・ライターと言われる所以でありますが、
これほど料理人に擦り寄って自分の生業に利用してしまうと、
第三者的に、
読者のために冷静に店を評価するのは不可能というものです。
料理人に対する悪影響もあります。
有名ホテルで開かれた、荒木氏の出版記念パーティは、
数万円という会費制の割にかなりCPが悪かったと
今でも語り草であります。
築地を肩で風切るように歩く彼らの、
若き慢心、勘違いを助長していることに
彼女は気づかないのでしょうか。
気づかない確信犯か、
それとも知っていて読者への背信行為を感じながらの所業なのか。

そのパラサイト・ライター浅妻さんが、
料理店宣伝誌「東京情緒食堂」の企画物、
「食通に選ばれし気鋭の新店」で昨年第6位にランクした鮨屋が
この「鮨 とよなが」です。
この企画ものを読んで、私は彼女が「食通」だと初めて知りました。
広尾「羽澤ガーデン」の料理長が渋谷に独立、
住所や連絡先は非公開ですが、
店内などの写真が掲載され取材を受けているのですから
矛盾しています。
要は「出し惜しみ作戦」。
データを出さないので、何か「すごい店」だと読者に思わせ
飢餓感を与え、人気、集客に結びつける戦略です。
店の雰囲気が変わるから
常連客のためにデータを公開しないというならば、
掲載自体を拒否するべきです。
百歩譲って浅妻さんの頼みを断れなかったとしても、
店名を隠すか、出身店を伏せるべきでしょう。
電話番号問い合わせでは確認できませんでしたが、
私は出身店である「羽澤ガーデン」に問い合わせて、
あっさり店の電話番号を知ることができました。

<明日につづく>