第963回 味がわからない業界人向け、アザブハウス 1

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  • 2006年4月25日(火)
昨年1月オープンし、
業界人の宣伝で有名になった「AZABU HAUS」。
麻布十番裏路地のコンドミニアム風建屋の1階にあります。
イタリアンダイニング&バーとのことですが、ウリは23時間営業。
清掃の1時間を除いて丸一日営業していることが珍しく、
たちまち有名になりました。
早朝でも、夕方でも、深夜でもやっている。
不規則な生活をされている方には、
ホントに使い勝手がよいといえますが、
普通の生活習慣の客にはどんなものでしょうか。
いつ行っても、自分が行きたいときに店がオープンしているだけで、
CP悪く、バイト風のスタッフが造る
素人に毛が生えた程度の料理で満足するものなのか。
普通の営業時間でもっと食後感のよい店があったとしたら、
この店の存在価値はなんのか。
24時間営業のファミレスも結構あります。
煽りまくっている「業界人」の飲食店に対する考えに
おおいに疑問を持ってしまうのです。

23時間営業、しかし、そのコンセプトに縛られるため、
オペレーションはファミレス対応となりますから、
イタリア風素人料理しか供せないことは明白です。
ほとんど終日営業ですから、
厨房を取り仕切るシェフ制度をとれるはずがありません。
寝ずに料理を毎日造り続ける、または指示しつづける
ロボットのようなシェフがいるはずありません。
優秀なシェフや正社員の厨房スタッフを交代制で何チームも確保して
終日営業をすることも不可能でしょう。
そんなチームを抱えたら、固定費が2倍、3倍になるからです。
高いレベルの料理をわざわざ客が減るであろう
深夜や早朝営業するメリットがあるはずがなく、
結果は固定費のかからないパートやバイト要員を雇っての
ファミレス式料理を提供するしか方法はないのです。

来店するとこの推測は確信に変わります。
上下白い制服のスタッフ。ベレー帽が気色悪い。
オーナーなのでしょうか、
黄色のカーディガンに白いパンツも一般客には近寄りにくい。
厨房スタッフも、廉価な多店舗ダイニングの
「ラ ボエム」と変わらないレベルと読みました。

<明日につづく>