第96回 人気シェフのお勧め店シリーズ その1イントロ

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  • 2003年8月22日(金)
グルメ雑誌や週刊誌の特集記事にはいくつかの傾向があります。
再開発地域などの最新スポットや人気店の特集は定番です。
そのほか、以前は「上司に連れて行ってもらいたい店」とか、
「芸能人に会える店」などの特集も目にしました。
果たして本当にこのような特集が、
読者のニーズに合っているのか、私には疑問です。

そして最近は、特集ネタに困ると定期的に出してくる企画に
「人気シェフ(料理人)のお勧め店」というのがあります。
当代のカリスマ?シェフ、予約の取れない店の料理人が、
日頃行っているお勧めの店を紹介する安直な企画なのですが、
なにせ人気シェフの行きつけ、推薦店ですからね。
読者の方への影響力は大きいことが予想されます。

予約の取りにくい店の料理人の推薦店に、
知らない店があったら、
ぜひ行ってみたいと思ってしまうでしょう。
そのカリスマシェフの人気店へ行けないならば、
せめて推奨店へでも行ってみようかと。
でも、彼らは本当に読者のために、
純粋に推奨しているのでしょうか。
仲間同士、もしくは弟子筋の店の救済のために
推奨している事はないでしょうか。

私は料理人が推奨している店をチェックすることで、
その料理人の方向性を
いくらか判断できるのではないかと思っております。
つまり、たいした店でないところ、CPの悪いと思う店を、
何の恥じらいもなく推薦している料理人は、いかがなものかと。
彼らはお互いの店を推奨し合っている傾向も見られ、
仲間意識が強いとも想像します。
互助会的な意味合いで、無責任に推奨されては、
読者はたまりません。
これからは、安直に推奨することがないよう、
責任感をもって特集記事にでていただきたいと考え、
具体的に検証していきたいと考えました。
一般客としても、そのような見方で彼らを判断する事は
ある意味、必要だと考えるからです。