第947回 ワインの諸々 98一見客にもワインをお任せで出す店

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  • 2006年4月9日(日)
またまた面白い店へ行ってしまいました、六本木の「S2」。
小山薫堂氏が誌面で取り上げていた、
電話ではなく携帯メールでしか予約できない
「ウメさん」という名物料理人がいるイタリアン。
古川橋近辺のマンションから、
一時的に六本木へ移転しておりました。
でも、この店、
小山薫堂さんがプロデュースしているのではないでしょうか。
自分の息がかかった店を雑誌で推薦していいのでしょうか。
この六本木の店も、
薫堂さんの関係する店のスペースを一時的に借りていたようです。
すぐに
ホテルオークラ近くのマンション一室へ移転するということで、
料理のことに関しては後に譲るとして、
今日はこの店でもやっていた
「ワインお任せシステム」についてちょっと考えてみます。

頼みもしないのにグラススプマンテが出てきたので
変だと思いました。
この店ではリストがなく客は好みのワインを頼めません。
客の値踏みをして在庫とのからみで選択するのでしょうが、
ウメさんが勝手にワインの種類と本数を決める
変な「お任せシステム」です。
足りなければ本数は追加できるようですが。
どんなワインが来るか、
イタリアものはよほどの有名どころでない限り、
最近種類が多すぎてマニアでないとボトルを見ただけでは駄目で、
飲んでみなければ自分に合うかわかりません。
しかも価格を開示されませんから不安になります。
しかし、こんなシステムで文句を言う客はいないのでしょうか。
嫌いなワインで、価格が高かったらどうなるのか。

しかし最低限の策はなされておりました。
料理人だと聞いていたのですが、
ウメさんは厨房に入らず、ずっとホールで客と話しておりました。
客との掛け合いで、客のワインの知識のレベル、
嗜好、予算をつかみとってワインを選定し、
客単価を決めるシステムのようです。
つまりこの店は、客によって飲めるワインが異なり、
請求額(ワインが違うから仕方ない面もあります)も
異なるということです。
マンション一室など隠れ家的な雰囲気で、
業界人や怖いものみたさの
ミーハー客しか行ってはいけない店であるでしょう。
料理はまったく印象に残っていないということを、
最後に付け加えさせていただきます。