第946回 大御所のアプローチは断れないのか

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  • 2006年4月8日(土)
拙著で友里征耶にクレームをつけてきた数少ない料理人であり、
また実名でメールをしてきたと評価した浅草の「龍圓」。
とにかく行ってみるべしと推奨させていただきました。
料理自体をそれほど褒めたとは自覚していませんでしたが、
オカザワ氏からは、
このカテゴリーでわざわざ取り上げるべき店なのかとの
問題提起もいただいております。
確かに何回も訪問しましたが、傑出している料理ではありません。
わざわざ浅草へ行く、といった立地の妙も
評価を後押しするのかもしれません。
多勢で行っても、
都心に比べて思ったより支払いがかからないといった点も
有利に働いたかもしれません。

その「龍圓」が最近、かなり山本益博氏と昵懇のようで、
雑誌に取り上げられるだけではなく、
彼の主催する食事会もこの店で開いているようです。
マスヒロさんが初めて来店すると、
店側の反応は大きく分けて2つに分かれるようです。
一つは「よくいらっしゃいました」と大歓迎、
恩着せがましい氏のアドヴァイスもありがたく聞き、
間違っていてもすぐ実践する店です。
もう一つは、なるべく普通に、一般客と同じように扱い、
氏のアドヴァイスも他の客と同じように是々非々で聞く店。
マスコミ露出を嫌う店が多く、
勿論マスヒロさんを特別扱いしません。

前者は覚えめでたくなり、雑誌に何回も取り上げられ、
マスヒロさんの小遣い稼ぎなのかはっきりしませんが、
食事会の会場にまで指定されるようになります。
(少なくとも、個人で行く時よりCPが落ちることは確かです)
後者は雑誌で以後取り上げられることなく、
二度とマスヒロさんは訪問しないようです。
前者には最近では
「キャンドル」、「一行樹(現ゲンテン)」、「直城」など。
後者で確認したのは「赤坂 かねさか」。

前者に「龍圓」が見事ハマってしまったわけであります。
何もマスヒロさんと親しくするなと言っている訳ではありません。
店は商売ですから、宣伝してもらえるのはありがたいこと。
何でも利用するくらいのしたたかさも必要でしょう。

要は、
マスヒロさんから変な影響を受けなければいいだけであります。
客側の利益を考えず、
相席用に大きなテーブル配置して回転を上げろ、
そろそろ値上げしたら、
なんていうアドヴァイスを真に受けてはいけないということです。
拙著の赤本、つまり第二弾ですが、
発売早々神田の三省堂で
大きな声で携帯をしている龍圓の主人に偶然知人が遭遇しました。
「おい、あの友里がうちのことよく書いているぞ」
メールでは丁寧な文調だったんですけどね。
マスヒロさんに洗脳されず、
客のことを第一に考えて店を続けてもらいたいものです。